アイ・ティ・アール(ITR)は6月15日、国内のZTNA(Zero Trust Network Access)市場規模推移および予測を発表した。

ZTNA市場規模推移および予測(2020〜2026年度予測)(出典:ITR)

ZTNA市場の2021年度の売上金額は17億円、前年度比70.0%増で、ITRは2022年度について同40.0%増の23億8,000万円と予測した。

ZTNAは、ユーザーごとに権限設定したアクセス制限が可能で、IDとパスワードだけではなく生体認証をはじめとした多要素認証を用意する。ゼロトラストセキュリティの概念の定着や、VPN機器の脆弱性を突いた攻撃によって注目が高まり、参入ベンダーが増加し市場が大きく成長していることから、ITRは同市場のCAGR(2021〜2026年度)を16.8%、2026年度には37億円に達すると予測する。

ITRのコンサルティング・フェローである藤俊満氏は、次のようにコメントしている。「コロナ禍を背景にリモートワークとクラウドサービスが定着していますが、当面は社内オンプレシステムとクラウドサービスが併存する状況が続くでしょう。自宅などからVPNを使用して社内ネットワークにログインし、社外のクラウドサービスを使用すると、同時ログイン数の制限があったり、レスポンスが遅くなったりする問題が発生していました。ZTNAでは、インタ―ネット経由でクラウドサービスにアクセス後、クラウド側から社内ネットワークにアクセス可能となり、これらの問題を解決することができます。今後クラウド化の進行に伴い、VPNに代わりZTNAが主流となっていくでしょう」

なお、この発表は、ITRが発行する市場調査レポート「ITR Market View:エンドポイント/無害化/Web分離/CASB/CNAPP/SOAR/ZTNA市場2023」に詳しく掲載している。