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 数多くの特撮作品で活躍した、光学合成技師の飯塚定雄さんが、24日に誤嚥性肺炎のため亡くなった。享年88歳。30日、認定NPO法人アニメ特撮アーカイブ機構(ATAC)が公式サイトを通じて発表した。

 ATACの公式サイトでは「光学作画の第一人者として多くの特撮作品でご活躍された飯塚定雄さんが、3月24日午前9時10分、誤嚥性肺炎のため、お亡くなりになりました。享年88歳。心よりご冥福をお祈りいたします。なお、ご葬儀は家族葬で執り行われる予定です」と報告した。

 飯塚さんは1934年、東京生まれ。高校時代に洋画家・東郷青児さんの研究所で絵画を学び、研究所時代に東宝撮影所のアルバイトとして映画界入り。『ゴジラ』(1954)から『空の大怪獣 ラドン』(1956)まで主に美術助手を務めた後、円谷英二さんに光学作画をすすめられ、「ウルトラマン」のスペシウム光線、八つ裂き光輪など多数の仕事をこなし、光学作画の第一人者となった。円谷英二さんの死後、合成専門の会社であるデン・フィルム・エフェクトを設立。

 キングギドラの引力光線など、携わった作品は数知れず、2015年10月には長年にわたって光学合成に従事した功績から「文化庁映画賞・映画功労部門」を受賞した。近年では『シン・ウルトラマン』(2022)にも光学作画としてクレジットされている。

 円谷プロダクションは、訃報を受けて公式Twitterを更新し「ウルトラマンのスペシウム光線をはじめ、数々の『光』で円谷プロ作品を彩っていただきました。飯塚定雄さんのご生前のご功績を偲び、心よりご冥福をお祈りいたします」と追悼の言葉を寄せた。