【▲ 国際宇宙ステーション(ISS)の右舷側トラスで船外活動を行うJAXAの若田光一宇宙飛行士(上)とNASAのニコール・マン宇宙飛行士(下)(Credit: NASA TV)】


高度約400kmの地球低軌道を周回する国際宇宙ステーション(ISS)では2月2日から3日にかけて、第68次/69次長期滞在クルーのメンバーである宇宙航空研究開発機構(JAXA)の若田光一宇宙飛行士とアメリカ航空宇宙局(NASA)のニコール・マン(Nicole Mann)宇宙飛行士による船外活動(EVA)が実施されました。


今回の船外活動では、新型太陽電池アレイ「iROSA(ISS Roll-out Solar Array)」を取り付けるための準備作業が行われました。iROSAは太陽電池アレイの経年劣化によって低下したISSの発電能力を底上げするために、既存の太陽電池アレイに重ねるようにして設置が進められています。iROSAは2022年12月までに4基が設置済みで、最終的に合計6基が設置される予定です。


予定よりも30分ほど早い2023年2月2日21時45分(日本時間)に船外活動を開始した若田飛行士とマン飛行士は、前回の船外活動(2023年1月20日〜21日に実施)で着手していた右舷側のS4トラス(1Aチャンネル)での架台設置作業の続きに着手。設置作業を終えた2名は今後の船外活動のために、左舷側のP6トラスにあった船外活動用の足場(Portable Foot Restraint:PFR)を移設するとともに、今後取り付けられるiROSA用のケーブル敷設作業を実施し、2月3日4時26分(日本時間)に6時間41分に渡る船外活動を終えました。


【▲ 国際宇宙ステーションの電力供給チャンネルの配置を示した図(Credit: JAXA)】


NASAによると、若田飛行士とマン飛行士によって設置作業が完了した2か所の架台に取り付けられるiROSAは、2023年後半に打ち上げが予定されているスペースXの貨物船「クルードラゴン」によるCRS-28ミッションでISSに輸送された後に、設置作業が行われるということです。


若田飛行士とマン飛行士は有人飛行ミッション「Crew-5(クルー5)」のメンバーとして、2022年10月にスペースXの有人宇宙船クルードラゴン「エンデュランス」に搭乗してISSに向かいました。若田飛行士の宇宙飛行は1996年1月のSTS-72ミッションから数えて5回目で、ISSの長期滞在は2013年11月〜2014年5月の第38次/第39次長期滞在に次ぐ2回目。マン飛行士の宇宙飛行は今回が初めてです。なお、若田飛行士とマン飛行士はともに前回が生涯初の船外活動で、今回は2回目の船外活動となりました。



【▲ 2023年2月2日〜3日に実施された若田光一宇宙飛行士とニコール・マン宇宙飛行士による船外活動のライブ配信アーカイブ(英語)】
(Credit: NASA)


 


Source


Image Credit: NASA TVNASA - Space Station (NASA Blogs)

文/sorae編集部