イラストなどのアート作品を投稿できる大手コミュニティサービス「DeviantArt」が、AIによる画像生成機能「DreamUp」を発表しました。加えて、「DeviantArtに投稿した作品がAIの学習に勝手に使われている」というユーザーの声に応えて「AIの開発者に対して『学習に使用されたくない意思』を伝える仕組み」の整備も発表しています。

Create AI-Generated Art Fairly with DreamUp by team on DeviantArt

https://www.deviantart.com/team/journal/933537821

UPDATE All Deviations Are Opted Out of AI Datasets by team on DeviantArt

https://www.deviantart.com/team/journal/934500371

Control The Amount of AI Art You See by team on DeviantArt

https://www.deviantart.com/team/journal/933537935

DeviantArtが発表したAIによる画像生成機能「DreamUp」は、2022年8月に一般公開された画像生成AI「Stable Diffusion」をDeviantArtのサイト上から利用できるようにしたサービスです。DeviantArtのユーザーは、生成したい画像の特徴を示す文章(プロンプト)をDreamUpの入力欄に入力するだけで手軽に画像を生成することが可能。生成した画像は、DeviantArtが提供するファイルストレージサービス「Sta.sh」に自動的に保存されます。



DreamUpは、5個のプロンプトまで無料で利用可能で、4種の有料プラン「Core」「Core+」「Core Pro」「Core Pro+」も用意されています。各プランの概要は以下の通り。

・Core:50個の無料プロンプトと20ポイントごとの追加プロンプト

・Core+:100個の無料プロンプトと15ポイントごとの追加プロンプト

・Core Pro:200個の無料プロンプトと10ポイントごとの追加プロンプト

・Core Pro+:300個の無料プロンプトと50ポイントごとの追加プロンプト

DeviantArtは、AIによる画像生成を用いることでアイデアのインスピレーションを得たり、短時間で作品のプロトタイプを作成できるとアピールしていましたが、ユーザーからは「DeviantArtに投稿した画像が、アーティストの許可なく画像生成AIの学習に使われている」という現状を非難する声が寄せられました。そこで、DeviantArtは投稿されたすべての作品に「noai」というフラグを付与することを発表しました。DeviantArtによると、「noai」フラグが付けられた作品は、AIや学習データセットの開発者によってダウンロードされる際に「AIの学習に使われたくない」という意思を伝えられるとのこと。ただし、「noai」フラグが付与された作品をAIの学習に用いるか否かの判断は各開発者に委ねられることとなります。



画像生成AIには「プロンプトにアーティストの名前を含めることで、生成画像の画風をアーティスト固有のものに近づける」というテクニックが存在しているのですが、DreamUpで同様のテクニックを用いた場合はプロンプトに含めたアーティスト名をクレジット表記する必要があります。また、DeviantArtは「DreamUpでの画像生成に自分の名前を用いられたくない」と考えているユーザーに対して、以下のリンク先のフォームからリクエストを送信するように呼びかけています。

DreamUp Username Opt-Out Request

https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLScBl3RIkgoVJh89rWOSd-bz_FdlCZGSUho4ADhG2rmCq3dVPg/viewform



さらに、DreamUpで生成された画像をDeviantArtに投稿する際は、AIによって生成されたことを示すタグが自動的に付与されるとのこと。DeviantArtはDreamUp以外の画像生成AIを用いて生成した画像についても、同様のタグを付与するように求めています。加えて、DeviantArtは作品閲覧時にAIによる作品の表示量を調整するメニューを追加したことも発表しています。