2022年10月25日、ウェブブラウザの「Safari 16.1」がmacOS Big SurおよびmacOS Monterey、macOS Ventura、iPadOS 16向けにリリースされました。同年9月にリリースされたSafari 16.0からの変更点や追加された機能について、開発元のWebkitが紹介しました。

WebKit Features in Safari 16.1 | WebKit

https://webkit.org/blog/13399/webkit-features-in-safari-16-1/

◆macOSでのプッシュ通知

Safari 16.1 for macOS Venturaでは、Safariにブラウザ上で通知を表示する「ウェブプッシュ通知」がサポートされます。ウェブサイトやウェブアプリケーションは、他のブラウザでサポートされているのと同じ標準規格である「Push API」と「Notifications API」、および「Service Workers」を使って通知をリモート送信し、Safariが起動していないときでも通知を配信できるようになりました。

ユーザーはボタンをクリックするなどのジェスチャーで通知の受信を許可することができます。加えて、通知センターで通知を表示・管理でき、通知設定でスタイルをカスタマイズしたり、ウェブサイトごとに通知をオフにしたりすることもできます。開発者がウェブプッシュをすでに実装している場合は、Safariのアップデートにより自動的に動作するようになるとのことです。



◆アニメーションAVIF

画像の保存形式「AVIF」の静止画はSafari 16.0ですでにサポートされていましたが、これに加えてアニメーションAVIFがSafari 16.1でサポートされるようになりました。

◆パスキー

ウェブサイトまたはアプリに公開鍵を、デバイスに秘密鍵を保存することでパスワード以上に安全に使用できるという認証技術「パスキー」が、Safari 16がサポートするiPadOS 16、macOS Monterey、macOS Big Sur、macOS VenturaなどすべてのOSで利用できるようになりました。

◆iPadOSの新しいビューポート

iPadOS 16ではさまざまなアプリをマルチウィンドウで表示できる機能「ステージマネージャ」が導入されていますが、これによりSafariもさまざまなサイズで表示できるようになります。このような機能により、同じページを表示する時でもユーザー体験が異なる場合があるため、Webkitは「CSSメディアクエリやコンテナクエリの使用を含む、レスポンシブウェブデザインのテクニックが鍵になります」と開発者に呼びかけています。



◆iPadOSでのApple Pencilを使ったホバー機能

Apple Pencilをディスプレイから離した状態でも検知する「ホバー機能」がM2搭載iPad Proでサポートされるようになり、対象の端末におけるSafari 16.1でもリンクやアニメーションなどでホバー機能を活用できるそうです。

◆Scroll To Text Fragment

検索結果からURLにアクセスすると、検索結果に強調表示されていたウェブページ内のテキストまでスクロールして強調表示されることがあります。このように、ID属性のない特定のテキストをURLの一部に含めるScroll To Text FragmentがSafari16.1でサポートされます。

◆画面キャプチャの改善

macOS Venturaで、「getDisplayMedia().」を使用して特定のSafariウィンドウをキャプチャする機能が追加されました。ユーザーアクションに応じてgetDisplayMediaが呼び出されると、ユーザーに自分の画面やSafariウィンドウといったアプリケーションの特定のウィンドウを共有するかどうかを尋ねるプロンプトが表示されます。



◆その他

Safari 16.1では、プライバシーを保護しつつトラッキングを行う「SKAdNetwork」を使用したWeb-to-App Store広告のサポートなど、開発者向けのツールが複数追加されているほか、バグ修正や機能強化も行われています。