Googleが、同社のスマートスピーカーおよび音声制御技術に関する多数の特許を侵害しているとして、スピーカーメーカーのSonosを提訴しました。これはスマートスピーカーに関するGoogleとSonosの法廷闘争の最新の動きでもあります。

Google, still reeling from an earlier ruling, sues Sonos over voice patents | Ars Technica

https://arstechnica.com/gadgets/2022/08/google-hits-back-at-sonos-with-voice-command-patent-lawsuit/

Google sues Sonos over smart speaker and voice control tech - The Verge

https://www.theverge.com/2022/8/8/23293927/google-sonos-lawsuit-smart-speaker-voice-control

スマートスピーカーメーカーのSonosは、2013年に自社製品でGoogle Play MusicをサポートするためにGoogleと業務提携しました。この時、SonosはGoogleと自社のマルチルームスピーカー技術を共有したのですが、GoogleがChromecast AudioやPixelなどの製品にこの技術を無断利用したことが発覚。SonosはGoogleに対して何度も自社技術の無断利用をやめるよう警告したそうですが、これが無視され続けたため、最終的に2020年1月にGoogleを訴えています。SonosはGoogleが同社の特許を侵害した例は2019年2月までに100件を超えると主張。

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この訴訟はアメリカ・ドイツ・カナダ・フランス・オランダなどにまで拡大しており、2021年5月にはドイツの裁判所がGoogleの特許侵害を認める判決を下し、2022年1月にはアメリカ国際貿易委員会(ITC)も「GoogleがSonosの特許を侵害した」という判決を下しました。

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この判決により、Google製のスマートスピーカーから「スマートフォンの物理ボタンで複数のスピーカーの音量を調節する機能」「複数のスピーカーの音量を一括で調整する機能」などが削除されることとなりました。

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その後、2022年8月に入ってGoogleはSonosの特許侵害を主張する2件の訴訟を提起しました。1件はスマートスピーカーの起動ワードの検出とワイヤレス充電に焦点を当てたもので、もう1件は複数のスピーカーの中でどのスピーカーが音声入力に応答するかを決定する方法に関わるものです。2件の訴訟の中で、GoogleはSonosが7件の特許侵害を行っていると主張しています。

Googleの広報担当者であるJosé Castañeda氏は、「Googleの技術を擁護し、Sonosによる当社の特許に対する明白で継続的な侵害に異議を唱えるため」に訴訟を提起したとコメント。Castañeda氏は、「SonosはGoogleとの共通の顧客を犠牲にして、当社の製品に対する攻撃的で誤解を招くキャンペーンを展開した」と述べ、Sonosによる訴訟を批判しています。

Googleは2件の訴訟をカリフォルニア州北部地区連邦地方裁判所に提起していますが、同様の訴訟をITCに対しても起こす予定であると説明しています。

これに対して、Sonosは「Googleの独占的な慣行に反対する発言をしたSonosへの報復であり、小規模な競合他社を粉砕するための訴訟」とGoogleを批判。Sonosの法務担当者はThe Vergeに対して「Googleの試みは失敗に終わるでしょう」とコメントしています。