出場機会を求めて、モナコへの移籍が確実となった南野。(C)Getty Images

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 選手は、試合に出てナンボだ。状況は様々でも、基本的にはそれが原理だろう。

 モナコ移籍が報じられている南野拓実が、リバプールという世界最高峰のクラブを飛び出すのであれば、それはひとえに出場機会を求めてのことなのは想像にかたくない。

 2021-22シーズンの国内カップ戦でチーム最多得点を挙げ、2冠に貢献した南野だが、戴冠を決めたファイナルでは出番がなかった。プレミアリーグで先発出場はわずか1試合。腐ることなく努力を続けた日本代表アタッカーだが、悔しさはその言葉の節々から感じられた。

 かつてウェストハムでプレーした元スコットランド代表のフランク・マカベニー氏は、ピッチに立つ機会を求めている南野に好感を抱いているようだ。『Football Insider』で、南野は移籍すべきタイミングか問われると、「もちろんだ」と答えている。

「どれだけ監督が優れ、選手が優れていても、うまくいかないことはある。彼はなぜだか機能しなかった。だが、彼は(加入時から自身の)価格を2倍にした。クラブにすべてをお返ししたんだ。報酬だけ受け取って試合に出ないこともできた。多くの選手がそうする。だが、彼はプレーすることを望んでいるんだ。だから素晴らしい」
 
 マカベニーは「(20-21シーズン)レンタル移籍したのは、彼が試合に出たかったからだ。正しい方法だったと思う。大金を稼げるからというだけで、それを望まずにスタンドの後方で座っている選手があまりに多いなかでね」と続けた。

「私にそんなことはできなかった。私はプレーすることを望む。そのために給料を下げなければいけなかったから、そうしていただろう。だが、彼には賛辞を送りたい。彼は出ていき、プレーすることを望んだ。私はそれをうれしく思う」

 もちろん、モナコ移籍が南野にとって“正解”なのかは、時が経たなければ分からない。モチベーションにあふれる27歳が、新シーズンに躍動するのを願うばかりだ。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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