中国スーパーリーグ崩壊…11クラブが給与遅延で最悪は8カ月未払い、元Jリーガーも悲惨な事態に

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中国サッカー界のバブルは完全に崩壊してしまっているようだ。

かつては莫大な資金をバックに、各国の代表クラスの選手やヨーロッパで実績のある選手を獲得する“爆買い”で知られた中国スーパーリーグ。しかし、金銭にものを言わせた戦略は徐々に弱体化していった。

さらに、コロナ禍の影響などもあり、クラブの解体が進み、最強を誇りアジアでも結果を残した広州FC(かつての広州恒大)も経営難に陥り、高年俸のファビオ・カンナバーロ監督が契約解除を申し出るなど混乱が続いた。

そんな中、中国メディアの『捜狐』が中国スーパーリーグ16クラブの財政状況をレポート。なんと11クラブが給与の支払いで遅延していると報じており、リーグ全体として崩壊の一途を辿っていることが判明した。

遅延がなく給与が支払われている5クラブは、深圳FC、河南嵩山龍門、大連人職業、山東泰山、上海海港とのこと。残りの11クラブは遅延しており、最も酷いクラブは重慶両江競技で8カ月以上の遅延があるという。

重慶両江競技はかつてコンサドーレ札幌(現:北海道コンサドーレ札幌)や大宮アルディージャで指揮した張外龍監督が指揮を執るクラブだ。

その他、2018年1月に浦和レッズから加入したFWラファエル・シルバや今夏北海道コンサドーレ札幌から加入したFWアンデルソン・ロペスが所属している武漢FCは7カ月の遅延だという。

半年以上遅延しているクラブは他にもあり、悲惨な状況が続いているようだ。

◆中国スーパーリーグ16クラブの給与支払い状況

【1.北京国安】

5カ月以上の遅延。ここ半年で1カ月分の給与のみ支払い

【2.上海申花】

給与の一部が遅延

【3.広州FC】

2カ月遅延。9月3日以降は支払われていない。トップチームは活動停止で、選手は自発的にトレーニングすることしかできない状況

【4.広州城】

2カ月の遅延。9月にストップした。給与支払いが滞ったのはクラブ史上初

【5.武漢FC】

7カ月以上の遅延。2021年に入ってからは3カ月分しか給与が支払われていない。また、2020シーズンの給与も一部は支払われていないまま

【6.重慶両江競技】

8カ月以上の遅延。2021年に入ってからは2カ月分しか給与が支払われていない。チームはトレーニングも中断

【7.青島黄海】

6カ月以上の遅延。できるだけ早く支払うことが約束されているが、実行されていない

【8.天津津門虎】

2カ月の遅延。経営陣は中国スーパーリーグの第2ステージが始まる前に支払うことを選手へと伝えていた

【9.滄州FC】

6カ月の遅延

【10.長春亜泰】

約4カ月の遅延。数カ月ごとに2カ月分が支払われている

【11.河北FC】

少なくとも6カ月以上の遅延。より深刻な状況で、クラブのオフィスは封鎖。トレーニング施設の電気代も支払えない事態に。

【12.深圳FC】

11月まで支払われる予定だが、11月に通常通り支払われるかは不明。ただ、中国政府の年次補助金がクラブに発行されるという

【13.河南嵩山龍門】

通常通り支払われている。株式の改革のプロセスの問題で2カ月遅延していたが、埋め合わせられている状況

【14.大連人職業】

新たな給与システムに従い、通常の給与を支払い

【15.山東泰山】

給与は通常通り支払われている

【16.上海海港】

給与は通常通り支払われている