栃木の良さをさまざまな視点から改めて考えるセミナーが16日、宇都宮市内で開かれ、哲学者の千葉 雅也さんなどが登壇しました。

このセミナーは地域社会の発展に寄与しようとJT、日本たばこの協賛で開かれたものです。

第1部では宇都宮市出身の哲学者で作家の千葉雅也さんが「視点を変える方法『勉強の哲学』入門」をテーマに講演した他、第2部では末永洋之副知事、漫画家の仔鹿リナさんが加わってパネルディスカッションが行われました。

テーマは「Rethink栃木 ~サブカルの視点で観光・地域振興~」で、末永副知事は映画「るろうに剣心」で宇都宮市の若山農場の竹林がロケ地となり話題になったことや旧足利西高が学園ものの撮影などで年間およそ200日使われている実績を紹介。

仔鹿さんは青果物市場で働く夫をモデルに流通の裏側や人間ドラマを描いた漫画「八百森のエリー」が人気で「住みやすく栃木は大好き。栃木県の役に立ったらいいと思っている」と地域への思いを語りました。

現在、立命館大学の教授で関西在住の千葉さんは新海誠監督の映画「秒速5センチメートル」でJR岩舟駅が描かれたことなどに触れ「栃木自体をどうサブカル化していくか。文学や漫画など観光になるわけでもない栃木の側面を描くこともその1つ」と述べました。

また、当時オリオン通りにあった商業施設アムスの地下で哲学書を読み、新星堂で現代音楽に親しんだ高校生活を「アバンギャルドな時代だった」と懐かしく振り返ると、末永副知事は「わかりやすいものがいいというような世の中だが『地域の光』には色々なものがあり個別の資源に興味を持っている人にアピールするのが何といっても近い」と話していました。