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 コロナ失業や収入減により、ローンの支払いに困窮する人がかつてないほど増えている。マイホームの差し押さえに自己破産……。ローン返済が滞れば、これまでの日常は瞬く間に崩れ去る。新型コロナによって顕在化した「ローン破綻の落とし穴」はどこか? ローン地獄に苦しむ人たちの姿を追った。

◆「3万円だけ」のつもりが、見栄で300万円の負債に

 都内の出版社で働く三井哲さん(仮名・34歳)もカードローン地獄に苦しむひとり。地獄への第一歩は「友人の結婚式のご祝儀3万円」という些細なものだった。

「今月ピンチだと悩んでいるところに『45日以内の返済で利息キャッシュバック』を謳った銀行カードローンの広告を見かけ、スマホで申し込みました。

『来月節約すればなんとかなるだろう』と考えていましたが、女性とのデートでは見えを張っていいお店に連れていったりプレゼントしたりと、ちょこちょこ1万〜2万円ずつ借りてしまって。

 おかげで交際・同棲へと発展しましたが、引っ越し費用や家具の購入費も借金で支払い。その後もカードローンありきの生活水準を元に戻せず、気づけば銀行2行からの負債総額は300万円を超えるまでになっていました」

 コロナによって残業代がカットされたことで手取りが6万円も減少。いよいよ自己破産を検討し始めているという。

◆行きすぎた“簡便さ”の誘惑

 元消費者金融社員で自身も多重債務で苦しんだ経験のあるシロウ氏は語る。

「冬のボーナスを返済のアテにしていたカードローン債務者の破綻が増えることは想像に難くありません」

 お金を借りることは悪ではない。しかし、行きすぎた“簡便さ”の誘惑に負けてしまった分だけ、コロナ禍では仇となってしまうのだ。

「返済のことで頭がいっぱいで仕事にも身が入らない」(三井さん)

 取材中にも返済を求めるメールが銀行から届いていた。

▼三井哲さん(仮名・34歳 出版社/未婚)
年収500万円
ローン残債300万円
月の返済13万円

◆マンション投資が仇に……家賃とローンの二重苦

「老後資金のために」と安易に不動産投資に手を出すサラリーマンは少なくない。4年前に栃木県の中古マンション3LDKを2000万円で購入した佐川武さん(仮名・43歳)もそのひとりだが、皮肉にも投資用物件によって「老後どころか今が破綻寸前」だとか。

「不動産投資に詳しい会社の先輩に『早いうちから絶対やるべきだ』と勧められ、不動産店についていったんです。そこで、近隣相場よりも随分安い物件を『こんなお宝なかなかないですよ』と紹介され、一気に乗り気になっちゃって。頭金なし、30年の不動産ローンで融資も決まり、1か月ほどでトントン拍子に契約まで済ませました」

 毎月の返済額は7万円。だが、運よく入居者はすぐに見つかり、返済額を上回る9万円の家賃収入が入ってきた。「こんなにラクな投資はない」と浮かれていた佐川さんだったが、1年前にその世帯が転出して以降、借り手が見つからない日々が続いている。

「立地があまり良くなかったんです。お宝が手に入るとわかって舞い上がり、大した吟味もせず購入したことを後悔しています。返済はこれまでの利益分で補ってきましたが、ついに2か月前、利益も底を突きました。僕と妻が住む都内の家は賃貸なので、12万円の家賃も払っているんです。さすがにどちらも支払えない。いっそ自分たちが住もうかと思いましたが、職場が都内なので、栃木から通うには厳しすぎるんですよ」

 1年で利益を失い、残ったのはローンだけ。売ろうにも、入居者が1年も決まらない状況で買い手がいつ現れるかわからない。「このままだと競売で買い叩かれるのがオチ。不動産投資なんてしなければよかった……」