<富士通レディース 最終日◇18日◇東急セブンハンドレッドクラブ(千葉県)◇6659ヤード・パー72>
10月とは思えない寒さ、そして2日目には強い雨風が吹く大荒れの天気。一転、最終日は晴れ間が見えた「富士通レディース」を制したのは、これがツアー復帰3戦目となる申ジエ(韓国)だった。これで国内最速の25勝を達成したが、二箇所の手術を乗り越えた末の勝利だった。
あのプラチナ世代がUTでパッティング!【写真】
今年は新型コロナウイルスの影響で試合中止が相次ぐうち、水際対策で日本への入国が叶わなくなってしまう。そんな中「試合がないと動かさないですし、ケアもしなくなるので」と、元々痛めていた部位が悪化。左ヒジと右手首の腱のクリーニング手術を決断し、それぞれ5月中旬と6月にメスを入れた。
クラブを握れない日が続いたが、気持ちは切れなかった。「もっと良くなるために手術を決断しました。負傷はプロゴルファーにつきものですし、挫折から乗り越える姿を後輩に見せたい思いもありました」。そんなレジェンドの感覚は独特で、手術から感覚を戻すためには「立ったロフトのドライバーを選ぶ」という、耳を疑うもの。
ドライバーのロフトは7.5度と絶壁で、「リハビリするならやさしいクラブの方がいい」と普通なら思いがち。ところが「手術後に右の手の感覚を補うためです。(右手の)角度が立っていないと低いボールが出ない。その方が感覚を戻しやすいので7.5度にしました」とジエ。デシャンボーの5.5度を彷彿させるが「デシャンボー選手はもっと大きいですし、私はそこまで大きくなりたくないのでこれで丁度いいと思います(笑)」。
バッグを担いだ斎藤優希キャディもこう言う。「今週ドライバーのバランスをD4に戻しました。韓国で手術したこともあって、一度D2にしたようなのですが、測ってみたらD0.5くらいだったんです。それで今週D4に戻したら良くなりました。去年よりも飛んでいると思います」。
ただし、シャフト変わりなくフジクラの『スピーダーevo4 569 S』。同社の担当者は「何年もフジクラシャフトを使い続けてくれて、そのしなり感・スピード感をずっと気入ってくれていますが、使用ヘッドのメーカーやモデルが変わってもフジクラを選んでくれる事を、非常に嬉しく思います。また、それが近年の大型ヘッドにもフジクラシャフトがしっかりマッチング出来ているという証にもなっていると思います」とコメントしている。
「もっと良くなるために手術した」。本人の言葉どおり、周囲が“逆境”と思う状況でも、レジェンドだけは独特の感性と信念で、さらなる進化を遂げていた。
【申ジエの優勝セッティング】
1W:テーラーメイドSIM MAX
(7.5°、スピーダーevo4 569S、45.5インチ)
3W:テーラーメイドM2ツアー(14°)
5W:ミズノ プロトタイプ(16°)
3,4U:キャロウェイ GBB EPIC(21,25°)
6I〜PW:ミズノ ミズノプロ518
A,S,LW:キャロウェイ JAWS(50,54,60°)
PT:オデッセイ トリプル・トラック TEN
BALL:タイトリスト Pro V1
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