Surface Headphones 2レビュー。ダイヤル操作が快適なANCヘッドホン

Microsoftは6月5日、Surfaceブランドのヘッドホン、Surface Headphones 2を発売しました。2019年に発売したSurface Headphonesの後継モデルで、音楽関連製品としては、このSurface Headphonesと、5月末に発売されたSurface Earbudsに続く第3弾となります。

価格は3万2428円(税込)で、初代よりも定価ベースでは8千円近く値下がりしています。

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基本的なスタイルは初代から変更はなく、カラーバリエーションとしてマットブラックが追加されただけで、外観もほぼ同じに見えます。

▲付属品は専用ケースに、充電用のUSB-Cケーブルと有線用のオーディオケーブル

仕様的に変わっているのは、バッテリー持ちが15時間から20時間に延長(いずれも、Bluetooth から音楽を再生し、ANCはオンの状態)されたのと、あらたにaptXをサポートしたのが大きな違いです。

初代ではWindows 10が標準対応しているaptXには非対応で、対応コーデックはSBCのみでした。4万円近いヘッドホンとしては見劣りする部分だっただけに、aptX対応はうれしいところです。とはいえ、AACには相変わらず非対応なので、iPhoneで利用する場合にはSBCを使うことになります。

▲イヤーパッドのクッション性は良好。ただ夏場は暑そう

アクティブノイズキャンセリング(ANC)も搭載しており、左側ハウジングのダイヤルを回転することで、その効き具合を13段階で調整できます。

といっても、正直そこまで細かく違いを把握できるわけでもなく、アプリ上では「高」「中」「低」「アンビエントサウンド増幅」の4段階の設定です。ちなみにダイヤルを回していくと、「低」と「アンビエントサウンド増幅」の間に、外音を取り込むだけの「パススルーサウンド」という設定もあります。

ボリューム調整も右側のハウジングを回転させることで行えるのですが、このダイヤルを回すといいう操作は直感的でとてもわかりやすいです。多くのイヤホン、ヘッドホンはタッチ操作や長押しなどでANCや音量調整を行いますが、意外と操作が難しく、意図しない動作になってしまうこともあります。その点、ダイヤルを回すだけのSurface Headphoensは、操作に慣れる必要がなく、急に話しかけられた場合など、とっさの時でも簡単に操作が可能です。

▲インターフェースは右側に集中。左から電源、マイクのミュート、USB-C、オーディオジャック

それ以外の操作については、左右とも共通で、タップで再生・停止、ダブルタップで曲送り、トリプルタップで曲戻しです。なお、ヘッドホンを外すと自動で停止する機能も備えています。

Windows 10のほか、AndroidとiOS向けにも専用アプリの「Surface Audio」が提供さており、イコライザー設定などを行えます。イコライザー設定は本体に記憶されるようで、設定したデバイス以外でも、同じ設定が反映されます。

なお、Surface Headphones2はマルチポイント接続に対応しており、複数の機器と同時接続が可能です。マルチペアリングとは違い、都度切り替えるのではなく、PCで音楽を聴いているときにスマートフォンに着信があれば、そちらに応答できます。自宅ではデスクトップとSurface Headphones 2を繋いで音楽を聴いており、出先ではスマートフォンで音楽を聴くような場合でも、いちいち繋ぎ直すことなく、デスクトップで再生を止め、スマートフォンで再生を開始するだけです。

肝心の音質は、素人耳なのであまり参考にはなりませんが、低音がややもの足りず、中音が若干こもり気味。高音域の抜けはまずまずといった印象です。結論としては、可もなく不可もなくいったところですが、同価格帯のANC対応ヘッドホンであるBoseやSony製品と比較してしまうと、もの足りなさはありそうです。

ANCの効きに関しても、最大にしても若干周囲の音が聞き取れる程度。完全な静寂にはなりませんが、周囲の雑音を程よくカットしてくれます。

全体的に、音質やANCの効きなどの性能を追い求めるよりも、一貫して操作性を追求した印象を受けました。ANCで適度に騒音をカットして仕事に集中でき、煩わしい操作も不要で、ほどほどに音楽も楽しめる。そういった意味では、電車や飛行機の移動中に使うよりも、オフィスや喫茶店、あるいは自宅での作業時に良さそうなヘッドホンです。

筆者のように、音質にそれほどこだわりがなく、操作が簡単な方がいいという人にとっては、うってつけの製品かもしれません。

▲このマークのために欲しい人もいるのかも

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