〇菅 大輝(札幌)
〇杉岡大暉(湘南)
〇東 俊希(広島)
△鈴木冬一(湘南)

◎=レギュラー候補 ○=有力 △=バックアッパー

 今年の後半に入り、かなり熾烈化が進むポジションだ。いずれもE-1選手権で持ち味のドリブルを見せた相馬と遠藤、同大会で鮮烈ボレーを決めた菅、さらには、ここ最近は調子を落とし気味だが、夏頃までは不動のレギュラーだった杉岡、そしてジャマイカ戦で鋭いプレースキックを披露した東らが揃う。図抜けた存在はいなく、その時々に応じて序列は入れ替わりそうだ。この代表では先発経験がない鈴木は、やや遅れがちか。
【ボランチ】
〇中山雄太(ズウォーレ/オランダ)
〇田中 碧(川崎)
〇田中駿汰(大阪体育大/札幌内定)
△松本泰志(広島)
△高 宇洋(G大阪)
△松岡大起(鳥栖)
△齊藤未月(湘南)

◎=レギュラー候補 ○=有力 △=バックアッパー

 11月のコロンビア戦で不甲斐ないパフォーマンスに終わった中山も、12月のジャマイカ戦では先制点を奪うなど攻守に躍動。さらにキャプテンとしてチームをまとめ、コミュニケーションの重要性を説くなどピッチ内外で改めて大きなプレゼンスを示した。そのパートナーの筆頭は田中碧。10月のブラジル戦で2ゴールを決め、E-1選手権でも2試合に先発と指揮官からの厚い信頼を感じさせる。E-1選手権で評価を上げたのは田中駿も同様。香港戦ではリベロも務め、ユーティリティ性を発揮した。実質この3人が2枠を巡る争いを繰り広げる。ジャマイカ戦で的確なパス捌きを見せた松本も定着には至っておらず、ここから下が“第2集団”と言える。
 
【シャドー】
〇久保建英(マジョルカ/スペイン)
〇堂安 律(PSV/オランダ)
〇三好康児(アントワープ/ベルギー)
〇食野亮太郎(ハーツ/スコットランド)
〇森島 司(広島)
〇安部裕葵(バルセロナB/スペイン)
△旗手怜央(順天堂大/川崎)
△田川亨介(FC東京)
△岩崎悠人(札幌)
△三笘 薫(筑波大/川崎内定)

◎=レギュラー候補 ○=有力 △=バックアッパー
 
 海外での実績、A代表経験などを踏まえれば久保と堂安が2大勢力なのは間違いない。ただしこの年代では常に10番を背負いチームを牽引してきた三好も、このふたりに劣らない実力者。その他にも、E-1選手権の中国戦で圧巻の攻撃センスを誇示した森島、バルセロナBで結果を残し、ジャマイカ戦で余裕すら感じさせるプレーを見せた安部などタレントが揃う。ジャマイカ戦で2得点の旗手やE-1選手権でA代表初得点を決めた田川らも、きっかけひとつで大化けする可能性はある。むしろコロンビア戦でアピールし切れなかった久保や堂安は立場を固められておらず、安泰ではないということだ。

【CF】
〇小川航基(水戸)
〇前田大然(マリティモ/ポルトガル)
〇上田綺世(鹿島)
△一美和成(京都)

◎=レギュラー候補 ○=有力 △=バックアッパー

 三つ巴の様相は昨年から変わらないが、ここまでチーム最多の15得点を挙げている上田は今年3月を最後にゴールから遠ざかっていて、やや下降気味。代わりにE-1選手権の香港戦で“A代表デビュー戦ハットトリック”を達成した小川は調子を上げている印象だ。またジャマイカ戦で持ち前の快足を飛ばして相手の脅威となった前田も、やはり面白い存在。この3人に続くのが、ジャマイカ戦で初招集された一美。序列を覆すほどのインパクトを残せなかったが、今年J2で17得点した勢いを来年も持続できれば、十分に定位置争いに割って入ってきそうだ。

取材・文●多田哲平(サッカーダイジェスト編集部)