かつてカンプノウ脇にあるナイキショップで、店員さんに「一番の売れ筋はなに」と訊ねれば、返ってきた答えは「ラガージャージ」だった。「へーそうなんだ」と感心し、その勢いで購入。ならばとついでにバルサラグビー部の試合も観戦した。見るからに弱そうで、結果は、相手に100点ぐらい奪われる大差負けだった。しかし、そこに総合スポーツクラブのよさを見た気がした。いまは存在してるか定かではないが、その時のバルサには、野球部も陸上部もあった。

「全てのカタルーニャ人の嗜好に応えるクラブでありたい」とは、当時のFCバルセロナの事務局長の言葉だ。

 ラグビーW杯。日本はスコットランドを破り、1987年にラグビーW杯が始まって以来、初めてベスト8に進出した。 

 ラグビーとサッカーは親戚関係というか、近しい間柄にある。大雑把に言えば、野球的ではないという点で一致する。日本では、重要なイベントはそれぞれ国立競技場で行われてきた。満杯になることはJリーグが誕生するまではラグビーの方が多く、大学スポーツに限れば、ラグビーの方が断然、華やかだった。こう言ってはなんだが、スタンドで綺麗系、お嬢様系女子を発見することは、サッカーよりラグビーの方が何倍も簡単だった。

 サッカーがJリーグ誕生でプロ的になったのに対し、ラグビーは大学リーグと社会人リーグで構成される古い体質の枠組みの中に収まってきた。正直、遅れて見えたものだが、いまはむしろ先進的に見える。外国出身者が半数を占める「ジャパン」に、日本のあるべき姿を見る気がする。

 Jリーグは外国人枠こそ5人に広がっているが、外国人選手が話題として取り上げられることはあまりない。一般のファンからまだまだ遠い存在にある。例外はイニエスタぐらいだ。非常にバランスが悪い状態にある。

 ラグビーとサッカー。代表チームのユニフォームの色も異なる。赤と青。個人的には赤の方が好きだ。ラグビーの赤と白の横縞の方が、サッカーより100倍格好よく見える。

 サッカーの世界では一番多いのが青で、2番目が赤だという。縦縞と横縞で言えば、縦縞だ。サッカーに横縞は少ない。現在のJリーグで横縞っぽい柄は鹿島アントラーズとヴィッセル神戸ぐらいではないか。

 2、3年前にバルセロナが、チームカラーであるエンジと青の横縞でプレーしたことはあるが、通常はその縦縞だ。 世界的に横縞で知られるチームは、スポルティング・リスボンとグラスゴー・セルティックだ。色はともにグリーン。赤とか青とかオーソドックスな色の横縞ではないので印象に残る。昨季、乾貴士が所属したレアル・ベティスは 同系グリーンの縦縞だ。現地で聞けば、その昔、グラスゴーに旅行に行ったベティコが、セルティックのユニフォームを見て、感激したことがきっかけになっているとのことだった。横縞にしたのでは単なる物真似。芸がないので縦縞になったそうだ。
 
 日本代表も横山監督時代は赤だった。88年〜91年の3年間だ。何故そうなったのか。なぜ、再び青に戻ったのか、その理由は覚えていないが、割と簡単に、大きな騒動に発展することなく青→赤→青と覆った記憶がある。あの変更は何だったのか。
 
 それからおよそ30年、サッカーの代表ユニフォームは一貫して青だ。同じ青でも薄かったり濃かったり、いろんな青がマイナーチェンジを繰り返してきた。
 
 そして、気がつけば日本代表は「サムライブルー」と命名されていた。たとえば、代表監督記者会見の司会を担当する協会の広報は、それに先立ち「これからサムライブルー森保一監督の会見を始めます」と述べるのだが、そのサムライブルーが一般社会に浸透している様子はまるでない。