サッカーの日本代表はブルーの横縞で! と言いたくなる理由
プロ野球の日本代表である侍ジャパンとネーミングが被っていることもあるが、「サムライ」の使い方が安易すぎるのだと思う。サムライという言葉にピンとくるのは日本人というより外国人だ。スコットランドを倒しベスト8入りしたラグビーの日本代表を、外国人が「サムライ的だ」と言うならわかる。自然な気がするが、日本人にはけっしてそうは映らない。
少なくともこちらの目には、その赤の横縞がとてつもなく眩しく鮮やかに映った。サッカーで言うな ら、リバプールがバルセロナに逆転勝ちを収めた昨季のチャンピオンズリーグ準決勝を想起させた。激しく果敢でありながらクリーンでありフェア。そうした戦いぶりがユニフォームから受ける印象と合致していた。
サッカーとラグビー。日本ではサッカーファンとかラグビーファンとか、もちろん野球ファンとか、ファンをそれぞれ分類しがちだが、サッカー、ラグビーいずれのファンである人も少なくない。今回のラグビーW杯でファンの垣根は大きく崩れた気がする。競技別でファンを分ける感覚は今日的ではない。望まれているのは、ラグビー部もあればサッカー部もある総合スポーツクラブではないか。体育館でバスケットの試合を見たあと隣のカンプノウでサッカーを観戦するバルセロニスタというか、カタルーニャ人は少なくない。
サッカーファンとか、ラグビーファンとか言っている時代は終わった気がする。赤と白の横縞ユニフォームを着た人は、先日、日本対モンゴル戦が行われた埼玉スタジアムにも、ルヴァン杯川崎対鹿島が行われた等々力にも訪れている。
ラグビー、サッカーそれぞれの関係者は、お互いの距離を縮める努力をもっとすべきだろう。サッカーの日本代表にはブルーの横縞で! と言いたくなるのである。
外部サイト
スポーツライター杉山茂樹氏の本音コラム。