DIY装着は可能だが取り付け場所には注意が必要!

 平成には「自己防衛」という言葉が流行ったこともあったが、マイカーの自己防衛手段として、ドライブレコーダーはいまや必須アイテム化している。ネット販売などで探せば数千円で見つけることもできるので、DIYで装着しているというユーザーも少なくないだろう。実際、マウントステーを両面テープで貼り付けるだけで、あとはアクセサリー電源につなぐだけで装着できるので、わざわざプロに頼むまでもないと思う人もいるだろう。

 しかし、フロントガラスには「車検シールと法令点検シール以外は貼れない」という話もある。果たして、DIYでドライブレコーダーを装着しても大丈夫なのだろうか?

 結論からいえば、一定の基準を守っていればドライブレコーダーをフロントガラスの内側に装着することは認められている。その基準について保安基準では次のように規定している。

 車室内後写鏡により遮へいされる範囲等のほか、前面ガラスの上縁であって、車両中心面と平行な面上のガラス開口部の実長 20%以内の範囲又は前面ガラスの下縁であって、車両中心面と平行な面上のガラスの開口部から 150mm 以内の範囲

 前方に向けた『道路及び交通状況に係る情報の入手のためのカメラ』(ドライブレコーダーを保安基準的に表現すると、このようになる)は、運転手からするとルームミラーの影に隠れる場所、もしくはガラス上縁から20%以内の範囲であればどこでも装着可能だ。

 余談だが、ドライブレコーダーについては運転手を監視するタイプもフロントガラスに取り付け可能。そのほかADAS(先進運転支援システム)用のカメラやレーザー、オートワイパー用の雨滴センサー、オートヘッドライト用のセンサー、ETCユニット、各種アンテナ類、バックミラーといったアイテムがフロントガラスに貼り付けることが認められている。それぞれ基準があるので、どこにでも貼り付けてよいというわけではないが……。

夏の車内は過酷! 取り扱いにも注意したい

 さて、ドライブレコーダー選びにおけるポイントとして解像度を一番に考えるかもしれないが、じつは他の機器との干渉がもっとも気を付けたいポイントだ。とくにラジオやテレビにノイズが入ったり、GPSに影響してナビがズレたりしてはストレスだ。そうした部分で対策がしっかりしていて安心して購入できるのは純正アクセサリーのドライブレコーダーだ。さらに装着についても後付け感の少ないものが増えてきている。

 また、純正アクセサリーやカーオーディオメーカーが提案しているナビとセットになっているドライブレコーダーは、ナビの画面に動画を映し出すことができるなど便利な機能を持つものもある。数千円の製品でも十分にクリアな動画を録ることはできるが、AV機器とリンクした便利機能は慣れると、いまさら戻れないという気持ちになるものだ。

 ところで、DIYで取りつけている状態をみると、アクセサリーソケットからドライブレコーダーまで電源ラインがブラブラとしているケースも見受けられる。さほど視界を遮らないとはいえ、決してスマートとは言えず、そうした処理を考えても配線を隠すなどひと手間をかけることが大事だ。その意味でも、ディーラーやカーショップなどできちんと取り付けてもらうといいだろう。

 ドライブレコーダーに関する注意点としてはメモリーカード(SDメモリーやマイクロSDメモリーが多い)の品質やライフにも気を付けたい。ドライブレコーダーの装着されているフロントガラスの内側は夏場には80度を超えることもあるほど過酷な場所であり、メモリーが熱で壊れてしまうこともある。気付かぬうちに記録できていなかったということにもなりかねない。

 ドライブレコーダーのメモリーカードは入れっぱなしにせず、きちんと録画できているかを確認するほか、ある程度は定期的にフォーマットするなどしたい。また、基本的には消耗品といえる。気になるのであれば、たまには新品に交換することを考えるといい。