森保一監督(撮影:岸本勉/PICSPORT)

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ウルグアイ戦で一番よかったのは、4-0で勝つのではなく、4-3だったことだと思います。

第201回のコラムで書いたとおり、僕はこれから先の2年間は負ける相手とばかりの対戦で構わないと思っています。なぜなら失点したことで課題が明らかになるからです。本番は2022年のワールドカップ。そこで勝つためには、今は問題点を洗い出したほうがいいと思うのです。

今回の失点では、「高さ」に対する課題が明らかになりました。クロスを送られると高さで劣る日本はピンチを迎えてしまいます。ちょっとしたポジショニングやセカンドボールに対しての予測など、しっかりと対策しないといけないのです。

ウルグアイは小さなミスをしっかりと見つけてゴールを奪ってきました。そして日本は後手に回るとたちまち苦しくなるということも明らかになりました。この3失点は今後の貴重な教訓になったと思います。

ただ、日本の新しい良さも十分に出た試合だったとも言えるでしょう。ボールも人も前に向かう。縦にボールが動いて、監督が求めている連動性が生まれる。そういう部分は素晴らしかったと思います。

堂安律、南野拓実、中島翔哉の3人で構成した2列目は、ワールドカップ勢がチームに加わっても遠慮することなく、むしろ自分たちがチームを引っ張るという自覚を持ってプレーしていました。

また、大迫勇也とも絶妙な距離を保ち、違和感なくプレーできていたと思います。この3人の躍動が日本代表をポジティブにしているし、競争意識も生んでいるのでしょう。

課題点も見つかりました。でも未来を感じる部分も見えました。ますます日本代表の今後が楽しみになったと思います。