東京都立川市を歩いていたら、ふと大きな茶褐色の金属が目に留まった。

「自然は微笑まず、人は微笑む  Nature does not smile ; people do」

一体なんだろう......と思いながら歩をすすめれば、ほかにも、半分に切れたコンクリート製の車や、巨大な三葉虫のような形の物体が点々と舗道に......こんな芸術らしきものが、立川市には数多くある。いったいなぜなのだろうか。


ヴィト・アコンチの作品。車が半分に切られている(画像はflickrより。Dick Thomas Johnsonさん撮影)

「基地の街」から「文化の街」へ

実はこれ、「ファーレ立川」という名を冠した街の一角。「ファーレ」とは、イタリア語で「創造する」「創る」などを意味する「FARE」に、立川の「T」をつけた「FARET」という単語にあたる。

もともと、米軍基地であった立川飛行場の跡地を利用し、1994年10月13日に誕生。基地の街ではなく「文化の街」を標榜した立川市が、芸術を取り入れて街づくりを行ったことで、109点の芸術作品が並ぶ街並みが出来上がった。

立川市をぶらつきながら、街に潜んだ芸術に目を凝らしてみるのも、また面白いかもしれない。


フェリーチェ・ヴァリーニの作品。見る場所によって綺麗な円が浮かび上がる(画像はflickrより。Dick Thomas Johnsonさん撮影)

また、2018年3月24日には、「ファーレ立川」街区を美術館に見立てて、イベント「ファーレ立川アートミュージアム・デー2018 春」が開催される。

ファーレ立川を熟知しているという「ファーレ倶楽部」がファーレ立川の芸術品についてのアートツアーを行ったり、オープンカフェを営業したりと企画は盛りだくさんだ。また、21日、24日、25日にはアクリル板へらくがきをするワークショップも行われ、完成した作品は21日から25日にかけて展示される。

「ファーレ立川」はもちろん、イベントへの関心もネット上で強いようで、多くの反応が寄せられている。