小正月(1月15日)の定番行事といえば、取り外した正月飾りや古い神札などを燃やす「どんど焼き(とんど、どんととも)」だろう。

各地の個性が表れる行事のひとつで、最近ツイッター上で話題になっていたのは宮城県仙台市にある大崎八幡宮の「松焚祭(まつたきまつり)」。どんど焼きの火を目指して、男性たちが白鉢巻、白さらし姿で「裸参り」をするのだ。

なかなかハードなどんど焼きだが、全国にはさらにハードなものがある。2018年1月16日付の神奈川新聞が取り上げた神奈川県伊勢原市神戸(ごうど)地区のどんど焼きだ。なんと燃え盛る炎に男性を投げ入れるという。

どんど焼きと言えば燃やすのは古い正月飾りでは...(senngokujidai4434さん撮影, Flickrより)

今年は5人が投げ込まれた

実際にどのような行事が行われているのか確認するため、伊勢原市役所広報戦略課に1月16日、Jタウンネットが取材したところ、「確かにどんど焼きの際に若い男性を投げ込みます」と話してくれた。

「若い男性なら誰でもというわけではなく、1年間に結婚や出産などお祝い事があった方を対象に、厄払いとしてどんど焼きの炎の中に投げ込みます。今年は5人の方が投げ込まれました」

2017年の投稿だが、ツイッター上でも神奈川歴史博物館がその様子を伝えている。

2016年の様子も別のユーザーが投稿している。

写真を見る限り、投げ込む真似や弱まった炎や灰の中に投げ込むのではなく、燃え盛る炎の中に放り込まれているようだ。広報戦略課によると、一応全身を覆うような服装にして手ぬぐいで顔を隠すなど対策はするものの、耐火服などは着用しないという。

伊勢原市ではこのハードコアスタイルのどんど焼きが一般的なのかと思いきや、神戸地区だけに見られる行事だという。

「珍しいという意味では、同じ市内の上藤野地区でどんど焼きに合わせて大根やサトイモで作った男性器、ニンジンなどで作った女性器を組み立てたお飾りを持って新婚家庭を回り、子宝に恵まれるよう祈る『嫁祝い』という風習もありますが、炎に投げ込むのは神戸だけです」

ちなみに由来についてはまったくわかっておらず、文献なども一切残っていないとのことで、同地区で昔から行われてきたと言い伝えが残っているのみのようだ。謎の多い伊勢原市神戸地区のどんど焼きだが、皆さんの地元ではいかがだろうか。「うちのどんど焼きはもっとすごい!」という情報があれば、お寄せいただきたい。