学生の窓口編集部

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秘書とは企業の重役や政治家などに付き、スケジュールの管理や書類の整理、外部との窓口を担当するなどの「補佐」をする仕事です。秘書という仕事に憧れている人も多いのではないでしょうか。ではみなさんは、どうすれば秘書になることができるのかご存じですか? 今回は、秘書になるにはどうすればいいかについてまとめてみました。

■秘書になるには資格は必要ない?

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秘書に関する資格として有名なのが、
・秘書検定
・米国秘書検定 (CPS)
・医療秘書技能検定
この3つです。

秘書検定は、『公益財団法人実務技能検定協会』が実施しているもの。秘書に必要な職務知識や一般常識、またマナーや補佐技能といったことを筆記試験、面接試験で測ります。1級、準1級、2級、3級の4つの等級に分けられており、数字が若いほど秘書としての能力が高いことを示します。

米国秘書検定は、アメリカの認定団体『IAAP(International Association of Administrative Professionals)』が実施している試験。秘書に必要なスキルや知識に加え、高い英語能力も認められます。

医療秘書技能検定は、医療機関で働く秘書に必要な専門知識と技能を認定するものです。医学的基礎知識だけでなく、医療関連の法規、また医療機関の組織の仕組みなど、専門的な知識が問われる検定です。

こうした秘書に関する検定試験はあるものの、必須ではありません。基本的には、誰でも秘書業務に就くことが可能です。例えば資格を持っていなくても、配置転換で企業の秘書課に配属となり、重役の秘書に就くといったケースも少なからずありますし、仕事の中で上司の補佐をメインに担当することになれば、それはもう秘書の仕事ということになります。

ただ、「思いがけず」という例は別にして、最初から「秘書」として働くこと、また採用されることを目指すのならば、やはり先に紹介した秘書に関する検定に合格しておくことが望ましいでしょう。

■政治家の政策担当秘書は特殊なルートが必要

多忙なスケジュールを抱える政治家は、複数の秘書が付いていることが多く、例えば国会議員だと、公設秘書と呼ばれる、国費で採用できる秘書を最大3名まで雇うことができます。この公設秘書3名のうち2名は第一公設秘書、第二公設秘書と呼ばれ、一般的な秘書と同じく特に資格がなくてもなることができます。しかし残る一人である「国会議員政策担当秘書」になる場合は、国家試験、または採用審査を受けないといけません。

国会議員政策担当秘書は、国会議員の政策面の補佐をする秘書。政策秘書とも呼ばれており、1議員につき1人、国費で採用することができます。政策の補佐をするわけですから、非常に高い専門知識が必要になります。そのため「政策担当秘書資格試験」という国家試験に合格する必要があるのです。

政策担当秘書資格試験はまず多岐選択式を行い、そこで合格した場合に次の論文式試験を受けることができ、さらにそれに合格すると、口述試験に進むことができます。この口述試験に合格することで、政策担当秘書資格を得ることができます。国家試験の中でも難関とされている試験です。

もう一つ、司法試験や国家公務員総合職試験といった、特定の国家試験に合格するか、公設秘書として10年の経験を積むなど、特定の条件を満たしている場合、研修を受けることで政策担当秘書になることもできます。条件を満たしていても、十分な知識と経験がないと議員から研修の申請がされないため、難しい道と言えます。

■秘書の給料はどうなっている?

秘書の収入に関しても気になるところですが、秘書の給料は基本的には働いている会社の給与基準に左右されるため、ピンキリというのが正直なところ。もし大きな企業で、社員年収も平均より高いとされているならば、秘書の給料も高いでしょうし、企業規模が小さく、社員の平均年収も低いのならば、秘書であったとしても給料はそこまで高くないでしょう。もちろん秘書課など課に属していて、課長などに昇進することで昇給することもありますが、それもベースとなる給与基準次第です。

正社員ではなく、派遣社員として秘書業務に就くというパターンもあります。この場合は月収ではなく時給というパターンもあり、時給は1,200円-2,000円といった金額であることが多いようです。もちろんですが、時給は大手企業であったり、より高い秘書スキルが求められる場合に高くなります。派遣から正社員登用というケースも見られます。

また、政治家の公設秘書の場合ですが、第一公設秘書、第二公設秘書、そして政策担当秘書の給与は「国会議員の秘書の給与等に関する法律」で定められています。それによると、第一公設秘書と政策担当秘書の給与は、最低で34万3,500円、最高で53万3,200円となっており、在職期間や年齢で変わります。第二公設秘書の場合は、最低で26万8,000円、最高で39万3,400円。こちらも在職期間や年齢で変わる仕組みになっています。これに期末手当や住居手当など諸々の手当が付くことになります。第一公設秘書や政策担当秘書にはなかなかなれませんが、給与面は非常に魅力がありますね。

今回は秘書になるにはどうすればいいかについてまとめてみましたが、いかがだったでしょうか。スキルや知識だけでなく、上司がより働きやすいようにサポートするにはどうすればいいのかを考える柔軟な頭脳も求められますから、たやすい仕事ではありません。その代わり、非常にやりがいはあるかもしれませんね。

引用:総務省法令データ提供システム「国会議員の秘書の給与等に関する法律」
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/H02/H02HO049.html

(中田ボンベ@dcp)