家族4人で撮影したという最後の写真(出典:http://www.13abc.com)

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誕生を心待ちにしていた愛情深い両親にとって、産まれたばかりの小さな赤ちゃんが重い病により命を落とすことがどれほど辛いものか、想像するだけで胸が痛む。赤ちゃんへの虐待や殺害といったむごたらしい事件が頻発する世の中で、こういう話題をも是非お伝えしなければなるまい。このほど米オハイオ州で…。

オハイオ州で昨年12月17日、トレド市に暮らすリンジーさん、マシューさんのブレントリンガー夫妻に念願が叶って双子の赤ちゃんが誕生した。二卵性双生児で男の子がウィリアム君、女の子がリーガンちゃんと名付けられたが、それは夫妻にとって大きな不安と向き合わなければならない日の始まりでもあった。妊娠中の検査で医師からある重大なことを知らされていたためだ。

母親のリンジーさんは妊娠23週の時、医師から「残念ながら男の子のほうに異常が見つかりました。心臓は右側だけ機能している状態で、生後そう長くは生きられないでしょう」と告げられ、家族4人で過ごせる時間があまりないことを覚悟していた。そんな中でも最大限の幸せを4人が共有し、素晴らしい思い出にして欲しいと考えた夫妻のある友人は、プロカメラマンのリンジー・ブラウンさんに連絡。「家族4人の美しいポートレートを撮影して欲しい」と頼んだのであった。

無垢な赤ちゃんの可愛らしさ、夫妻の幸せそうな表情を捉えたブラウンさんは「話を持ちかけられた時、協力したいとすぐに思いました。夫妻の思い出作りのためにお役に立てて光栄です。彼らは本当に美しいファミリーでした」と語っている。写真はただの思い出に過ぎないという人もいるが、本当に多くの人々が写真やアルバムというものを愛し、大切にしていることを彼女は仕事柄いつも感じてきたそうだ。

体に起きている異変をそう感じさせないウィリアム君であったが、医師の診断の通りこの子は生後11日で天に召され、家族は3人になってしまった。愛おしそうにリーガンちゃんを抱っこし、メディアの取材に「私の人生であの11日間は最も幸せな日々でした」と語ったマシューさん。妻のリンジーさんは「写真を見て、時々泣いてしまいます。私の美しい双子たち。ウィリアムもとても美しい赤ちゃんでした。彼が大きな目を開けている貴重な写真もあり、どの瞬間も本当に大切なものでした」と話している。美しく飾られた何枚もの写真、そして元気なリーガンちゃんのにぎやかな育児の日々に、夫妻の悲しみが少しずつ癒されていくことを祈りたい。

出典:http://www.13abc.com
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)