現在韓国と中央アジアとの交易で大きな役割を果たしているのもこの高麗人たちだ。韓国は92年の修交以来定期的な投資を続けカスピ海の油田開発を推進しているほか、中央アジアに散らばる同胞を呼び寄せるための研修制度などを充実させている。韓国国内でキルギスやウズベク系の労働者が増えているが、その大部分も高麗人で言語研修や高賃金の労働機会を積極的に提供し続けている。

◆中央アジア開発投資で出遅れる日本

 日本はアジア新興国の最前線である中央アジアにたいしてあまりに無関心で出遅れている。ロシアはもとより、アメリカの石油関連大手シェブロンがカザフスタンに対し3兆7000億円にも及ぶ開発投資をすることを決定した。日本のここ数年の投資規模は全体で700億円程度だが、中国は先の訪問で5000億円規模の油田開発案を獲得している。民族的な交流という意味で韓国や中国は日本ほど彼らに距離を感じていない、民間レベルでの交流も盛んだ。豊富な地下資源を持ち、経済規模を爆発的に大きくさせているこの国たちをこのまま放置しておくわけにもいくまい。

 まずは彼らの国が持つ歴史的、民族的な背景を少しでも理解していくことが重要なのかもしれない。

<取材・文/なかはた じゅん(TwitterID:@cider1d1l)>
北京在住の大学生。日中朝英の4言語を操り、現在はロシア語の勉強中。中国にいる北朝鮮留学生や旧ソ連圏の人々と日々交流しながら、アジア情勢の一端を考察している。