計画とはいつもうまくいくものではありません。それは、快進撃を続ける宇宙開発企業でも一緒です。スペースXは6月15日(現地時間)、ファルコン9ロケットの打ち上げと海上船への着地を試みました。2つの人工衛星の軌道投入には成功したもものの、海上船への着地には失敗。ファルコン9ロケットは着地の衝撃で分解してしまいました。
 
スペースXは事前に、今回の着地は難しいものになると発言していました。なぜなら、ファルコン9ロケットはより高い静止トランスファ軌道(GTO)まで人口衛星を打ち上げる必要があったからです。GTOまで人口衛星を打ち上げたロケットはその時点で多くの燃料を使ってしまい、着地時の制御用の燃料が少なくなってしまいます。
 
今回の着地は海上船へとかなりの衝撃を与えたようで、中継用のカメラは煙を上げるファルコン9を一瞬捉えた後に止まってしまいました。しかしその後、スペースXを率いるイーロン・マスク氏のツイートによりその失敗が確認されました。
 



 
彼によると、今回はファルコン9に搭載された3つのエンジンのうち1つの出力が足りなかったそうです。また今後はそのようなケースに備えて、さらなるファルコン9のアップグレードを行なうとも発言しています。
 
今後、スペースXは6月16日にISS(国際宇宙ステーション)へ補給船を打ち上げます。ロケットは補給船の打ち上げの後、フロリダの地上基地への着陸を試みます。さらにその後にも8月にロケットの打ち上げが予定されています。そして同社は今秋に、低コストなロケット打ち上げ計画にとって非常に大切な「回収ロケットの再度打ち上げ」を行ないます。今回は残念な結果に終わりましたが、同社の宇宙開発はとどまることなく続くことでしょう!
 
Image Credit: SpaceX
■SpaceX’s landing streak comes to an end as Falcon 9 breaks apart during touch down
http://www.theverge.com/2016/6/15/11943716/spacex-launch-rocket-landing-failure-falcon-9?utm_source=rss&utm_medium=rss