近年グリーンエネルギーの活用の場が広がるにつれ、航空業界もそのクリーンな動力源に注目しています。特に、太陽の力によるソーラー発電を利用する航空機は「世界一周プロジェクト」が実施中など、大いに開発が進んでいます。そんな中、エアバスは数年間無人で飛ぶことができる航空機「ゼファーT」の処女飛行に成功しました。
 
エアバスが現在開発している無人航空機の「ゼファー」は、ソーラー発電で数年間飛び続けることができます。飛行高度は20kmで、搭載装置を利用することでまるで衛星のように(擬似衛星:HAPS)振る舞うことが可能です。


 


 
またゼファーはすでに試験飛行で336時間(約2週間)という非常に長い飛行記録を達成しています。これは、他の無人機の8倍も長いものです。さらに今後は1ヶ月、そして1年と飛行時間を伸ばしていきます。ゼファーのメリットとしては、衛星よりも低い成層圏を飛ぶことで低コストでの運用や、容易な装備品の変更が期待されています。
 
現在、エアバスは「ゼファー8」の年内の運用開始を目指しています。この機体は100Mbpsの通信とNIIRS 6による写真撮影、動画撮影、そしてナローバンドのモバイル通信が可能です。さらに、次期モデルの「ゼファー9」はフルバンドのモバイル通信やレーダー探知機など、さまざまな機能が追加されます。
 
無人機とソーラー発電、そして航行技術の発展により航空機が人工衛星の代わりになる計画は、とても興味深いものです。将来的に、ゼファーやその他の安価な無人航空機が人工衛星の一部を置き換えるのかもしれませんね。
 
Image Credit: Airbus
■Airbus is solving the space debris problem with pseudo-satellites that fly forever
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