昨年12月に打ち上げられた、ブラックホールなどから発せられる重力波を観測する重力波望遠鏡の試験機「リサ・パスファインダー」。ESA(欧州宇宙機構)は7日、その試験機が高いパフォーマンスを示したと発表しました。今後、NASAとESAは3機の衛星を運用して宇宙空間に巨大な重力波望遠鏡を構築する予定です。
 
重力波といえば、今年2月に米国の観測所「LIGO」が初観測に成功したことでも話題になりましたね。空間の歪みが伝播する重力波は約100年前にアインシュタインによって予言されていた現象で、ブラックホールの合体など巨大な天体活動から発生します。
 
リサの中には金とプラチナでできた2つの立方体が内蔵されています。これらは真空容器の中で無重力により自由状態で浮遊しており、その位置のずれを高精細なレーザー観測で測定。もしずれていれば、重力波が伝播したことがわかるという仕組みです。この2つの立方体の重量差はウイルスほどだというのですから、その繊細さがわかりますね!
 
重力波はLIGOのように地上でも観測は可能ですが、3つの衛星を500万kmの離れた位置に配置できる発展型LISA(eLISA)ではより低周波の重力波を捉えることができます。これにより、宇宙のさまざまな場所で起きる超巨大ブラックホールの融合による重力波を捉えることができるのです。宇宙はまだまだわからないことだらけですが、宇宙に打ち上げられた「巨大な望遠鏡」でその姿が解き明かされることを期待しましょう!
 
Image Credit: ESA-C.Carreau
■Gravitational-wave hunter LISA turns out to be a true high performer
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