みなさん、宇宙空間は何の音もしない、無音の空間だと思いますか? 確かに真空の宇宙は音を伝えないので耳を澄ませても何は聞こえないのですが、星々の生き生きとした活動を音に変換して楽しむことができるのです。今回バーミンガム大学の研究者が公開した「太古の星々による『宇宙の音楽』」は、神秘的かつ少し不気味は宇宙の姿を私たちに教えてくれます。
 


 
まずは上の動画を再生してみてください。ブオーン…ブーン…という、なんとも不思議な音が聞こえると思います。まるでむか〜しのSF映画の効果音のようですが、あのような音がある意味正確だったのはちょっと驚きですね。
 
このデータは、NASAのケプラー探査機のミッション「K2」によって得られたデータを利用しています。そして、観測したのは130億年前に誕生した「M4」という星団です。宇宙の年齢が約138億年といわれていますから、この星団がいかに宇宙の初期に誕生したのかがわかりますね。
 
そして周波数スペクトルから星の内部構造を探る「星震学」の技術を使うことにより、内部の音による星の明るさの変化やぐらつきを観測。そこから私たちが聞くことのできる「音楽」へと変換したのです。さらに、この研究により「星の年齢や質量」も正確に測定することができました。
 
バーミンガム大学のBill Chaplin教授は以下のように語っています。「考古学者が発掘によって過去を解き明かすように、私たちは星の内部の音を聞くことで銀河の歴史を知ることができるのです」。うーん、なんともロマンティックな話ですね! これらのはるか遠くの星だけでなく、私たちの太陽の音楽も一度聞いてみたいものです。
 
Image Credit: University of Birmingham
■Listen to the eerie SPACE MUSIC echoing across the Milky Way from the oldest stars in our galaxy
http://www.mirror.co.uk/science/listen-eerie-space-music-echoing-8132959?utm_source=rss&utm_medium=rss