なぜ毎朝観なくてはと思ってしまうのか「とと姉ちゃん」55話

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連続テレビ小説「とと姉ちゃん」(NHK 総合 月〜土 朝8時〜、BSプレミアム 月〜土 あさ7時30分〜)第10週「常子、プロポーズされる」第55話 6月6日(月)放送より。 
脚本:西田征史 演出:大原拓


時代の変化と共に常子(高畑充希)たちにも変化が・・・。良い変化なら嬉しいけれど、残念ながらそうではなく、どうやら雲行きがあやしい。
まず、一家の大黒柱になって妹たちへの発言が増えている常子に対して、かか・君子(木村多江)の存在感がものすごい薄い。これでいいのだろうか。お母さん、娘に働かせて何しているんだ?
そして会社にも戦争の影が忍び寄る。質素な生活を強いられるものの諸橋道子(野村麻純)ひとりだけは、恋もおしゃれも美味しいお弁当もやりたいようにしようとする。大丈夫なんだろうか?
常子にとって重大な変化といえば、せっかく復活した月に一度のお出かけがみんなの負担になりつつあることだ。ついに鞠子(相楽樹)も美子(杉咲花)もほかの用事を優先させてしまう。
家族がそろわなかったおでかけの日は雨で、常子とかかとふたりだけで雨のお寺にお参り。この天気の悪さは家族それぞれが自立していくことを暗示しているのだろうか。こういう時、とと(西島秀俊)だったらどういう言動をするのか気になる。

唯一変わらないのは、週に一度の、武蔵(坂口健太郎)とのお汁粉デート。
実のところ、武蔵も状況を変えようとしているのだが、変わらないでやきもき。
でも、水面下で常子と武蔵の心の変化が起きている。星野を身近に感じるのは、ととに似ているからかもしれないと自覚した常子に、ふたりはどきどき。
いいなあ、ものすごく不器用な常子と武蔵。このもどかしさが、明日も観なくてはという気にさせる。
(木俣冬)