魅せた大技小技!初球ホームランに6連打と、細かくつないだ都立小山台が都立墨田工を撃破!

 この日の神宮球場での4回戦第3試合は都立小山台と都立墨田工の都立対決。昨夏準々決勝進出の都立小山台は、今夏は2回戦で都立つばさ総合を破ると、3回戦では東海大高輪台と延長10回の激闘を制しこの4回戦に進出した。一方、シードの都立墨田工は3回戦、苦しみながらも聖学院を9対5で下した。この試合も勝って、なんとか波に乗っていきたい。

 試合開始は、やや球場を雲が覆ってきた午後14時39分。その初球。開幕のサイレンが鳴ると同時に球場に快音が響く。打球はレフト方向へと上がりスタンドイン。都立小山台1番・長南 太一が先頭打者初球アーチを放つ。これでやや面食らった感のある都立墨田工先発・青木 洸から5番・吉田 龍平、7番・竹下 直輝のタイムリーなどでこの回4点を奪う。都立小山台はさらに2回にも無死満塁から3番・風間 航の2点タイムリーで2点を追加し、ここまでで6対0とリードを広げる。駆けつけた大応援団もこれには大喜び。スタンドが華やかに揺れる。

 だが、都立墨田工がその裏、取られたら取り返す、と反撃に出る。9番・永瀧 将也のタイムリーで1点を返すと、続く1番・山瀬 幹太のセカンド深くへのゴロの送球が逸れる間に2点が入りこの回3点を奪取。さらに3回にはキャプテン・大友 真次のタイムリーが飛び出し、都立小山台を2点差まで追い上げる。

 しかし、都立小山台も「取られたらもっと取り返す」と言わんばかり。前の試合、打ち合いの延長戦を制したのは伊達ではない。4回表、四球で出した走者をダブルプレーで無くし、二死走者無し。このまま攻撃が終わるかと思いきや、ここからつなげるのが都立小山台。二死から一、三塁を作ると、6番・木田 輝、7番・竹下、8番・矢崎 裕希、9番・三橋 功也の連続タイムリーと押し出しで5点。四球を挟み6連打の猛攻を見せ、11対4。さらに6回にも長南、風間のタイムリーで2点を加えた都立小山台が13対4と一気に点差を広げていく。

 7回裏、コールド成立の危機に立たされた都立墨田工は粘りを見せる。エラーで出塁した1番・山瀬を死球とヒットで3塁まで進めると、5番・上島 龍人がレフトへ意地のタイムリーを飛ばし1点を返す。コールド阻止まであと2点、なおも一死満塁。球場を緊張感が包む中、都立小山台守備陣がここは踏ん張りきり、このまま13対5で試合終了。序盤の押せ押せ楽勝ムードから都立墨田工の反撃にあい、もつれたものの5回戦進出を決めた。

(文=青木 有実子)

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