意地の3点・加世田

  神村学園が攻守に力の差を見せつけた。

 初回に、4番・山本 卓弥(3年)のレフト前タイムリーで先制すると、2回は打線が爆発する。満塁から1番・都甲 将央(3年)の走者一掃ライトオーバー三塁打、一三塁で4番・山本の右中間にあわやスタンドインの特大三塁打など、打者一巡の猛攻で一挙5点を挙げた。

 3回は併殺で三者凡退、4回も簡単に二死となったが、そこから打線がつながる。5安打に3四球が絡んで6点をダメ押した。

 先発の2年生右腕・内田 雅輝は序盤から快調に飛ばし、2回の1四球以外は5回二死までパーフェクト投球で加世田打線につけ入るスキを与えなかった。

 加世田はあと1人打ち取られれば、その時点でゲームセットという状況まで追い込まれた。二死から神村学園は2番手に新里 武臣(3年)を送る。

 7番・柳田元輝(3年)の打球は三塁前のボテボテのゴロとなり、万事休すと思われたが、これをとり損ねてエラーで出塁。これで目覚めた加世田打線は、8番・小湊矯(3年)、9番・中山拓真(3年)が連打でつなぎ、1番・藤井淳哉(3年)がレフト前タイムリーを放って、相手のミスもあって走者一掃となり、意地の3点を返して、ゲームセットを阻止してみせた。

 何とか中盤、盛り返すきっかけを作った加世田だったが、その裏の神村学園は攻撃の手を緩めない。3四死球で満塁とし、6番・木戸 恵二(3年)の犠牲フライで再び10点差となり、コールドゲームが成立した。

(文=政 純一郎)

関連記事・第97回全国高等学校野球選手権大会特設ページ・あの学校の取り組みは?!鹿児島県の野球部訪問を一挙紹介!・夏よりも熱い!全国の野球部に迫った人気企画 「僕らの熱い夏2015」