21日、浦和は水原三星に1-2で敗れ、ACL敗退が決まった。水原三星のワントップとして先発したのは、日本生まれ、日本育ちの元北朝鮮代表、鄭大世だ。2006年から2010年まで川崎フロンターレでプレーし、その後ドイツへ移籍。2013年からは水原三星でプレーしている。

久しぶりに戦ってみたJリーグチームはどうだったのか。

「浦和に関して言えば、このACLのグループリーグには運がなかった。勝ってもいい試合を落としていました。サッカーの質は悪くないとうちの監督も言っていました」

「浦和の特長としてはパス回しがうまいし、相手の裏を突くプレーもうまい。バイタルエリアでのプレーは驚異的です。だけど、そこにいくまでに細かいミスが多い。そこからカウンターに持って行けた」

「ビルドアップの段階でミスが出る。それにプレッシングに弱い。前線でプレッシャーをかけて1回取られ出すと2回、3回とボールが取れるようになる」

「日本は僕がいたときとあまり変わっていないと思います。日本にいたときは気付いていなかったけれど、ドイツに行って日本を見ると、球際に強くないのがわかりました」

「それからスライディング・タックルのレベルが低い。ディフェンスが一発でカットできるスライディングの場面で、日本は相手に体を寄せて1対1にする。そしてボールを取ったらキープしようとして今度は逆に守備にあったりしている。そしてそういう球際がことごとく弱いんです」

「韓国で日本のチームと対戦するとき、監督から言われるのは『球際に厳しく行けば、日本は何もできないぞ』ということ。それは毎回言われています」

鄭大世が指摘した「球際の弱さ」は、先日ハリルホジッチ監督がJリーグを見て指摘した内容の1つだった。鄭大世の言葉により、問題点はより浮かび上がってきたと言えるだろう。

そしてその「球際が弱い」と言われた浦和はJリーグの首位を走る。この日の浦和の敗戦は、Jリーグ全体への警鐘と言えるのではないだろうか。

【日本蹴球合同会社/森雅史】