24日、各報道機関に送られたライブドア元社長の堀江被告が心境を直筆で綴った文書(撮影:佐藤光彦)

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ライブドア事件で証券取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載など)の罪に問われた元社長の堀江貴文被告(33)が24日午前、各報道機関が提出していた質問状に対し、弁護人を通じて文書で回答した。

 堀江被告は保釈された4月27日、同文書と同様の質問に対し、東京拘置所(東京都葛飾区)前で取材に応じる予定だったが、安全上の理由などで急きょ取り止めにしていた。

 各報道機関は保釈後、弁護人を通じて堀江被告に心境、ライブドアへの今後の関与、起訴事実への認識などついて文書で質問。今回得られた回答は23日付で、A4判の紙2枚に堀江被告が直筆で書いたものとしている。

 各報道機関からの質問と、同日公表された堀江被告の回答の全文は次の通り。

◇各報道機関の質問(以下、原文のまま。一部、カッコ内に注釈入り)

1.今日(4月27日)の保釈を迎えて、率直な今の感想を聞かせてください。拘置所生活はどんなものでしたか。

2.ライブドアの大株主として、今後、ライブドアの事業にどのように関わっていかれるのか。また、事業家として、新たなプランなどがあれば教えてください。

3.堀江さんの経営手法は世間的には「時価総額経営」と言われていると思いますが、そうでしょうか。今回の事件を受けて、堀江さんの経営に関する考えは変化したのでしょうか。

4.一連の事件では、宮内被告らが起訴事実を認め、堀江さんの指示、了承があったと供述しているとされていますが、ご自身の認識はいかがでしょうか。

5.長い拘留を終え、今、一番やりたいことはなんですか。会いたい人や食べたいものなどがありますか。

堀江貴文被告の回答(以下、原文のまま。一部、カッコ内に注釈入り)

1.拘置所に入っている間は今までの暮らしと違い月日がゆっくりと過ぎていき、自分自身のこれまでの人生を振り返る良い機会になりました。未(いま)だに外の暮らしに慣れていないのと情報から長期間遮断されていたのが急に情報化社会に放り込まれたことから、頭がついていかない感じでとまどっています。

2.ライブドアの経営に関わるつもりはありません。拘置所内での時間を使って新しい事業プランなどを考えましたが、当面は訴訟の準備に没頭する予定です。

3.「時価総額経営」というものが、どういう意味を持っているのか、正確には分かりませんが、私としては、時価総額経営をしていたつもりはありません。私は、経営者というものは、株式会社である以上は営業利益の拡大を目指すべきものと考えており、その考えは今回の事件の前後で変わるものではありません。諸行無常(しょぎょうむじょう)というのが私の人生観で、これまで今の瞬間を精一杯生きようと努めてきましたが、拘置所でゆっくり時間が過ぎていくのを感じ、今まで生き急いできたかなとも思うようになりました。この心境の変化が今後、私の経営に関する考え方に何らかの影響を与えるかもしれないと感じています。

4.起訴事実は認めておりませんし、違法行為を指示・了承したつもりもありません。

5.「沈まぬ太陽」(山崎豊子著)を読み、保釈される時が来たら、是非亡くなられた方々の鎮魂のために(日航機墜落現場の)御巣鷹の尾根に登りたいと思っていたので、21日の日曜日に御巣鷹の尾根に登り参拝をして来ました。今後、機会を見つけて山に登りたいと思います。

平成十八年五月二十三日
堀江貴文

【了】

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