松田龍平と松尾スズキ監督

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 「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2015」が19日、メイン会場となる北海道夕張市のアディーレ会館ゆうばりで開幕し、松田龍平や松尾スズキ監督らゲスト陣が出席。ニューウェーブアワード女優部門で俳優として初めて賞を受けた松岡茉優は、昨年の受賞者で過去に共演した武田梨奈から祝福され、感激で大粒の涙を光らせた。

 1990年の「ゆうばり国際冒険・ファンタスティック映画祭」を第1回に、夕張市の財政破たんによる2007年の中止を経て(代わりに有志による「ゆうばり応援映画祭」を開催)、記念すべき25回目を数える同映画祭。今年は、ポスタービジュアルを飾る巨大な虎を相手に武田梨奈・三田真央・花井瑠美のアクション女優三人が、武田はヌンチャク、三田は剣、花井はリボンを武器に戦いを繰り広げる、光と映像、アクションが融合した鮮やかなプロジェクションマッピングで幕開けとなった。

 昨年新設された、目覚ましい活躍で今後さらなる新しい波を起こしてほしい人物に対して贈られる「京楽ピクチャーズ.PRESENTSニューウェーブアワード」授賞式では、クリエイター部門の増田セバスチャン、男優部門の中村蒼、女優部門の松岡茉優ら3名の受賞者が登壇。俳優人生で初めて賞を受けたという松岡は、昨年同賞を受賞した武田から祝福を受けると、女優として「すっごくヒマ」な時代に武田と共演したことが思い返されるのか、涙が止まらない。

 松岡は「なんてすてきな映画祭なんだろうと思いました。わたし、夕張に来たことないのに、『お帰りなさい』って言ってくださって……」と市民が沿道で黄色いハンカチを振って迎えてくれる、同映画祭ならではの出迎えにいたく感激した様子。「涙が出るのはいいけど鼻水が出るのが……」と苦闘しながらも、「わたしは一生俳優をします。どうか見守っていてください」と力強く宣言し、会場の温かな拍手を集めた。

 そして映画祭のオープニング作品『ジヌよさらば 〜かむろば村へ〜』の上映では主演の松田龍平と監督の松尾スズキがそろって登壇。松田は、いつもの落ち着いたトーンながら「すごくアットホームな空気感で、なんか『仲間に入ってもいいですか?』みたいな感じ」とやはり映画祭の雰囲気が気に入った様子だった。「世界で一番、楽しい映画祭」をテーマとする「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2015」は、23日まで北海道夕張市内各所で開催される。(長谷川亮)