リヴァプールFWマリオ・バロテッリは妥協を図っている。インスタグラムでの投稿が人種差別と判断され、イングランドサッカー協会（FA）から処分対象とすることが発表されたバロテッリは、ヒアリングを断念してFAの処分を受け入れることにした。こうすることで、出場停止ではなく、罰金処分で済むことを願っている。

問題となったのは、２週間前のバロテッリの投稿だ。自身の愛称でもある「スーパーマリオ」の画像を掲載したバロテッリは、次のようなコメントを載せた。

「マリオのようになれ。彼はイタリア人の配管工で、日本人によってつくられ、英語を話し、メキシコ人に似ている。黒人のようにジャンプし、ユダヤ人のようにお金をつかむ」

画像の最初に「レイシストになるな」との文言が出ているにもかかわらず、バロテッリのこのメッセージは、ユダヤ系の人たちに対する侮辱とみなされた。バロテッリは謝罪し（彼の母はユダヤ人だ）、投稿を削除している。

人種差別に関して非常に厳しい規則を持つFAは、すぐにバロテッリの投稿について調査を開始。バロテッリは15日までヒアリングを求めるなど異議を申し立てることができた。だが、バロテッリはFAに手紙を送り、投稿への経緯を説明して、人種差別をする者たちへの冗談として皮肉的に投稿したことや、自身がこれまで人種差別に苦しんできたことを訴えたのだ。

このため、FAはバロテッリが責任を認めたことも考慮して、出場停止を科さないと見られる。なお、バロテッリは今週、負傷から練習に復帰。ブレンダン・ロジャース監督は、過密日程のクリスマス期間を前に、バロテッリを起用できることを望んでいる。