子どもに空想の友だちがいるみたい……。放っておいても大丈夫?

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■もしかして、幽霊としゃべっているの?

小さい子どもが誰もいないのに、あたかもそこに誰かがいるかのように話しかけたり、物を食べさせるしぐさをしたりする……。そんな子どもの姿に心配を覚える親御さんは多いと思います。この、子どもの想像上の友だちのことをイマジナリーフレンドといい、一見するとなにやら心霊現象のようにも見えて驚くこともありますが、実際にはそう珍しい現象ではありません。

特に人間関係に慣れていない小さな子どもに、よく見られることで、成長の過程としてはごく自然なことと言えるでしょう。

■8歳までに消失。その記憶もなくなる……。

イマジナリーフレンドとの交流は、多くが心の中で起こりますが、相手との会話や交流、経験などは、実際の友だちと同様の関係を築くことができます。

一説によると、幼児期には2〜3割も、そういった経験をする子どもがいるといわれており、特に一人っ子や、女の子で第1子の場合に起こりやすい傾向にあるようです。ただ、一般的には8歳までに消失し、多くの場合は、成長の過程でイマジナリーフレンドのことはきれいさっぱり、忘れてしまうといわれています。これは、多重人格などとは異なり、病的なものではなく、想像力などの発達に重要な役割を果たすといった説もあるようです。

いっぽうで、特に女性の場合、大人になってもイマジナリーフレンドをもっている方もいるといいます。このようなケースは多くの場合、空想にふけるのが好きな方や、衝撃的なできごと、周囲からの孤立などを経験した方にみられる傾向があるようです。

■まとめ

大人の場合でも日常生活に支障がない限りは、治療の対象とはみなさない、という考えが主流です。もちろん、「見えない声が命令してくる」といった場合は、病気の可能性がありますので専門医に相談するようにしましょうね。

(35歳女性産婦人科医/Doctors Me)

※画像は本文と関係ありません