10年で400倍、2020年にはさらに67倍も速くなるスマホ通信!失敗しない新モデル購入のポイント

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スマートフォンで一番の難問とは何だろう? それは「どの機種をいつ買えば損しないのか」だろう。
今やスマホは、毎年で数十機種が発売されている。スマートフォンに詳しい人でも、いったいいつ買えばいいのかと悩んでしまうほどだ。
常時8台以上のスマートフォンやタブレットを持ち歩く筆者も、その例外ではない。しかしながら筆者を含め、スマートフォンに詳しい人たちが新しいスマートフォンを買う絶対的な”タイミング”は存在する。

そのタイミングが、「生活を変える新機能」だ。古くはワンセグやWi-Fi、おサイフケータイの搭載されたタイミングなどが、そうだった。しかし、今のスマートフォンには、新しい機能の多くは搭載されており、選択ポイントも変化した。それが「通信速度の高速化」や「通信規格が新しくなる」というタイミングだ。

●知っていた?21世紀になって約400倍も速くなっていた通信
実はここ10年でケータイの通信速度は、びっくりするほど速くなっていることをご存知だろうか。
今から約13年前、21世紀になったばかりの2001年は、ケータイの通信速度は最大384Kbps(約0.38Mbps)だった。
それが、2014年の現在は、NTTドコモとKDDIが提供している一部エリアの通信速度は最大150Mbps(下り)になっているのだ。

つまり、10年で通信は、400倍近くも速くなっているのである。
自動車や飛行機の最高速度がほとんど変わらない中、通信速度だけが、とんでもなく進歩しているのだ。こんなに劇的に変化しているのだから、我々利用者が追いつけないのも無理はない。

さて、400倍といわれも、あまりに大きな差なので、ピンとこないだろう。そこで少し、わかりやすく比較してみよう。
2時間程度のHD映画を1本ダウンロードする時間で比較してみた。(2時間程度のHD映画容量を2Gバイトとして計算)

○2001年以前…NTTドコモ ハイスピードmovaサービス提供 最大28.8Kbps
ダウンロード時間 約6日14時間1分

○2001年…NTTドコモ FOMAサービスをスタート 最大384Kbpps
ダウンロード時間 約11時間51分

○2003年…KDDI 高速通信「WIN」をスタート 最大1.8Mbps 
ダウンロード時間 約2時間32分

○2006年…NTTドコモ FOMAハイスピードをスタート 最大3.6Mbp 
ダウンロード時間 約1時間16分

○2010年…NTTドコモ LTE通信「Xi」をスタート 最大37.5Mbps 
ダウンロード時間 約7分
※一部屋内では75Mbpsで提供

○2013年…NTTドコモ LTEで下り最大150Mbps提供開始 最大150Mbps 
ダウンロード時間 約2分

いかがだろう。2001年以前は「6日」もかかっていた映画のダウンロードが、(理論上だが)2013年では、たった「2分」でダウンロードできるわけだ。

ところが、これで終わりじゃない。そう、通信速度は、今後も速くなるのだ。

では、今後はどうなるのだろうか。

●2020年は、映画1本のダウンロードが「1秒」、一瞬で完了?
東京オリンピックが開催される2020年、今から6年後の世界の通信は、どうなっているのか。

NTTドコモは次世代通信技術を使い、下り最大10Gbpsを目指しているそうだ。
これは、2014年現在の通信速度(150Mbps)のおおよそ67倍。2時間程度のハイビジョン映画がわずか「1秒」でダウンロードできる計算だ。

つまり、2020年の東京オリンピックでは、ハイビジョン以上の映像であっても、ほとんどリアルタイムで観戦できちゃうのだ。競技の録画や音楽LIVEなど、いるでも瞬時に見られるのが当たり前という時代が訪れるわけだ。
ほんと、テレビっていらなくなりそうな気がしてくる。

●2020年は動画天国?ちょっと待て、高速通信で困ることもある?
速度が今の67倍という2020年。通信が速いのはよいけど、ちょっと待って欲しい。

この速度だと、1秒間で2.5Gバイトものデータ通信が可能だ。
つまり、今の2Gバイトか5Gバイト制限の通信プランだと、最短2秒で即通信速度規制になってしまう?
それはさすがに困る。

しかし、安心して欲しい。
まず、ここまで述べた通信速度は、あくまでも理論上の最高通信速度。実際には、混み具合や電波環境から、半分〜数分の1程度となると見られている。また、メール、ウェブ、SNS程度は待ち時間が少なくて良いメリットもある。
なにより、通信量による規制は、定期的に通信速度や料金プランとあわせて見直される可能性がある。実用とかけはなれたプランが提供されるとは、考えにくい。

したがって2014年の現在は、2Gバイトや5Gバイトの制限があるが、2020年の頃には大容量や無制限のプランが提供されている可能性のほうが高いというわけだ。

通信速度や規格が変わる節目は、料金プランも変更されるケースも多い。生活を大きく変える可能性のある「通信速度」に注目していれば、新しいスマートフォンの買い時を間違えることも少なくなるだろう。


布施 繁樹