各キャリアの契約数からプリペイドや通信回線契約を除いた純増をチェックしてみた【デジ通】


電気通信事業者協会が公表している携帯キャリアの回線契約数をみると、各社共契約数が伸びていることがわかるのだが、特に加入者が伸びているのは、ソフトバンクやauなどのiPhoneを取り扱っているキャリアだ。

この回線契約数には一時的に使うプリペイドの契約やフォトフレームなどの通信モジュールも含まれているため恒常的に回線を使う利用者ではなく2台目や3台目の端末も含まれてしまう。このため、実際の携帯電話やスマートフォンのユーザー数とは異なると考えるべきだろう。特にプリペイドは業者が大量に契約することで純増を伸ばすことにも利用できるので、なるべく排除したほうがいい。

全体の契約数からプリペイドや通信モジュールの契約数を引いたデータを抽出し、加入者数の状況が各キャリアでどうなっているのか確認してみることでより正確に純増数を把握できるかと考え、試してみた。




■通信モジュールの利用について
通信用モジュールは、様々な形態があるが自動販売機や自動車のナビ機能に組み込まれていたり、レンタル向けの大型プリンター複合機の状態送信用といった感じで各種機器にあらかじめ組み込まれ業務で使用されているのがほとんどだ。ほかに一般家庭などでもフォトフレームやタブレットなどにモジュールが組み込まれている。

ドコモとauの通信モジュールは、2008年頃から100万回線前後の契約数があった(ドコモのほうが多い)。一方、ソフトバンクの通信モジュールの契約は、2008年までほとんどなかったのが2009年5月以降から急激に増えている。そして現在、ソフトバンクの通信モジュールの契約数は、auのそれを追い抜き、トップのドコモに迫る勢いだ。

プリペイド回線の契約は各社減少しており、トップシェアのソフトバンクも減少傾向にあったが、ここ数か月は下げ止まったのか80万回線程度で安定している。全契約数からこの通信モジュールとプリペイド分を引いてみると次のようになる。



これをグラフにするとこうなる。

※編集部注
上記の表ですが、初出時に数値が間違っていたため修正いたしました。申し訳ありませんでした。






このようにプリペイドや通信モジュールを排除した形で見てもauは横ばい状態でほとんど同じだが、ソフトバンクが若干減り、ドコモは増えている。そうドコモも頑張って契約数を伸ばしているのだ。

しかし、全契約数に占める各キャリアの割合を見るとauは下げ泊りから若干上昇に転じ、ソフトバンクは、全契約者数に占める割合は低いが各キャリアの中でも伸びしろが大きい。契約者数を頑張って増やしているドコモが残念ながら5割を切り、さらに下げている現状が見える。全契約者数に占める割合を大きく回復するほどツートップ戦略は効果を上げることができなかったわけだ。

iPhone 5Sが間もなく登場することがわかっているしiOS7も同時に投入される今年の後半は、ドコモにとってさらに厳しい戦いが待っていると考えていいだろう。


上倉賢 @kamikura [digi2(デジ通)]

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