1月4日、官公庁や一部の企業で仕事始めとなりました。トップが新年の決意を述べるシーンが各地でみられたのではないでしょうか。また、今年は4日を休みにして、大型連休にした企業も多く、1月7日が初出社となる人もいるでしょう。

 「今年こそは」と気合を入れている若手社員が気をつけたいのが、言葉遣い。

「頑張りたいと思いますので、よろしくお願いします」

 このよく耳にする言葉は実はNGだと、日本語力向上会議の書籍『デキる人は「言い回し」が凄い』のなかで紹介されています。上司の前で、今年度の目標を話すときに、上記のような言い方をしていませんか? 

 「『頑張る』とは、『あることを成し遂げようと、困難に耐えて努力する』という強い決意を感じさせる言葉です。ところが、『〜と思います』がつくと、『頑張るという気持ちになることを願っている』『頑張る自分になりたいと願っている』というように、まるで他人事のようなニュアンスになってしまうのです。『頑張る』のは自分自身なのですから、『頑張りますので、よろしくお願いします』とキッパリと言い切ってしまうほうがいいでしょう」

 確かに言われてみると、「頑張りたいと思いますので、よろしくお願いします」は変な日本語。そして、もう一つ気をつけたい言葉遣いがあります。

 「頑張らせていただきます。どうぞよろしくお願いします」

こちらもよく聞く言葉。

 「『〜させていただく』という言い方は、『相手の許可を得てから何かをする』という敬意の高い謙譲語です。しかし、『頑張る』ことに誰かの許可は必要でしょうか。前述のように、『頑張る』とは自分自身の行為であり、強い決意の表れなのですから、『〜させていただく』は余計です。『頑張ります』にしたほうが、ずっと潔い印象になりますね」

 何にでも「させていただく」をつけるのは、最近の若者の傾向。しかし、すべてのシチュエーションで有効かというと、そうではないのです。目標を話す時には、強い自分の意思が必要です。歯切れの良い自分らしい言葉で、是非、いい新年のスタートをきってください。



『デキる人は「言い回し」が凄い (角川oneテーマ21)』
 著者:日本語力向上会議
 出版社:角川学芸出版
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