BOOK STAND
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映画『福田村事件』が依拠した史科書籍 歴史に埋もれた100年前の事件を掘り起こす
2023年9月1日に公開された、井浦 新さん、田中麗奈さん、永山瑛太さんらが出演する映画『福田村事件』。この作品は、『A』『A2』『i 新聞記者ドキュ…
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【今週はこれを読め! SF編】異なる認知、現実の外側へ〜キム・チョヨプ『この世界からは出ていくけれど』
韓国SFの俊英キム・チョヨプの、『わたしたちが光の速さで進めないなら』につづく二冊目の短篇集で、七作品を収録。著者は「日本語版への序文」の…
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ある日、息子が不登校に......。葛藤を乗り越えて親子の答えを見つけるまでを描いたエッセイ漫画
文部科学省の調査結果によると、2021年度の全国小中学生の不登校児童生徒数は9年連続で増加しており、数で言うと小学生は約8万人、中学生は約16万人…
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【今週はこれを読め! コミック編】「作ること」を丁寧に描き出す〜坂上暁仁『神田ごくら町職人ばなし』
マンガ雑誌で連載されている作品の1話目が、web上で読めるようになって久しい。「ためし読み」と呼ばれるそれは、書店で働いていた折、1巻の仕入数を…
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【今週はこれを読め! エンタメ編】じわじわ不穏な青山七恵『前の家族』が怖い!
怖いっ!怖すぎるよ。小さいけれど確実に不穏な事象を、まったりした空気が包んでいく。しだいに危機感が損われていく主人公の変化が、リアルに描…
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好きになれない自分。それは無意識のうちに刻まれた「心の傷」が原因だった――!?
ループしてしまう嫌な思考や、ついつい出てしまう口癖。皆さんの中には、「なんでこんな性格なんだろう?」と自分のことを責めてしまう人もいるので…
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【今週はこれを読め! エンタメ編】桜木紫乃『ヒロイン』の静かな力強さに惹き込まれる
所属する宗教団体が起こしたテロ事件への関与を疑われ、長い年月を別人になりすまし、逃亡し続けた女性の物語である。そう聞くと、あの大きな事件を…
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「サウナー医師」がサウナの可能性を科学的に解説! 究極のととのい方や効果的な入り方は?
以前、本サイトでも紹介した『医者が教えるサウナの教科書 ビジネスエリートはなぜ脳と体をサウナでととのえるのか?』から3年半。いまだ空前のサウ…
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【今週はこれを読め! SF編】気候変動に立ちむかう新技術と経済システム〜『未来省』
作品世界のリアリティ(自然科学面だけではなく社会科学的にも、また登場人物の造型においても)で定評のあるキム・スタンリー・ロビンスンが、2020…
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絶海の孤島・南硫黄島の調査に訪れた鳥類学者による「冒険エッセイ」兼「研究成果報告書」
本州から南に1200kmの場所にある絶海の孤島・南硫黄島。過去に人が定住したことがなく、人為的な撹乱を受けていないことから原生の生態系が維持され…
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『ミュータント・タートルズ:ミュータント・パニック!』ジェフ・ロウ監督インタビュー!
2023年というのはアメリカにおけるアニメ映画ビジネスにおいて転換期になる年かもしれません。というのも『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』…
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【今週はこれを読め! ミステリー編】呉勝浩の短編集『素敵な圧迫』に興奮!
「呉さん、短篇もっと書いてよう。こんなにうまいんだからさあ、頼みますよう」「いや、ほら、長篇と同じくらい手間がかかるんですよ短篇は。だから書…
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『千と千尋の神隠し』のカオナシは当初モブキャラだった―― 「裏ジブリ」あなたはどこまで知っている?
ジブリ作品の中でも世界中で爆発的ヒットとなった映画『千と千尋の神隠し』。同作では"カオナシ"という不気味なキャラクターがストーリー後半で際立…
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【今週はこれを読め! エンタメ編】「魚」と「鳥」の名コンビがいいぞ!〜蝉谷めぐみ『化け者手本』
「魚様、鳥が現れよりました」主人公の二人が出揃う時に書かれるそんなセリフに、ニヤついてしまった。動物たちが活躍するファンタジー......でな…
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【今週はこれを読め! SF編】想像せぬ結末へと至る十四篇〜『最後の三角形 ジェフリー・フォード短篇傑作選』
ジェフリー・フォードは数々の文学賞を受賞している現代アメリカの異色作家。本書は『言葉人形』につづく、日本オリジナル編集による二冊目の短篇集…
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限られた時間の中で果たす重大な役目とは? 生き物にプログラムされた死にざま
人間に限らず、生き物はいつか死を迎える。しかし、その実態を知る人は少ないだろう。夏になればよく見かけるセミの死骸も、なぜ仰向けで落ちている…
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クリエイティブな視点から社会問題に挑む 博報堂チームによる『答えのない時代の教科書』
日本にはさまざまな社会課題がそこかしこに横たわっています。そのうえ自分自身の生活に対する不安や心配事もあり、「社会課題に取り組もう!」と言…
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年齢による意識や好みの差がなくなっていく!? 「消齢化」する新しい社会の在り方を分析
昨今は年齢を重ねても元気な人が多く、若年層に混ざってスポーツやゲームなどの趣味を楽しむ人が増えました。その一方で若年層が昭和の雰囲気を楽し…
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【今週はこれを読め! SF編】文化人類学的視座と政治的リアリティ〜『コスタ・コンコルディア 工作艦明石の孤独・外伝』
林譲治の前作『工作艦明石の孤独』(全四巻)では、人類が宇宙に進出したのち、ワープ航法の不調(時空構造の不可解な機構が関係しているらしい)に…
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「パパ」はどうして「ママ」になったのか――。娘へつづる、愛と不安のこもった手紙
「最愛のわが娘・もも、あなたは明らかに友だちとは違う形の家族をもっています。その原因をつくったママはやっぱり心配になります。(中略)だからこ…
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【今週はこれを読め! エンタメ編】中西智佐乃の中編集『狭間の者たちへ』に引きずり込まれる!
2篇の中編が収録されている。主人公たちの中にあるいくつかの小さな黒い感情が、徐々に集まってきて、大きくてほぐれないかたまりになっていく。リ…
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【今週はこれを読め! ミステリー編】この凄まじいサスペンスを読め!〜デイジー・ジョンソン『九月と七月の姉妹』
このぞわぞわする気持ちを、ぜひみなさんにも。デイジー・ジョンソン『九月と七月の姉妹』(東京創元社)は、一九九〇年にイギリス・デヴォンで生…
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なぜ「発達障害もどき」は増えている? その背景と改善法を臨床経験35年以上の小児科医が解説
近年、発達障害と呼ばれる子どもが劇的に増えているといいます。文部科学省のある調査によると、2006年の時点では全国で7000人足らずだった発達障害…
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【今週はこれを読め! コミック編】まちまちな三人の下町散歩〜かつしかけいた『東東京区区』
空が広くて、坂がない。いわゆる「下町」と呼ばれる東京23区の東部に引っ越して、何より体感したのはその二つだった。特に川のほとりを歩いた時の「み…
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「人生は遺伝で決まる」は嘘だった!? 科学的見地から解き明かす「本当の才能の見つけ方」
皆さんの中に、「生まれ育ちで決まるから人生は無理ゲー」「才能は遺伝によるものだから努力しても無駄」と思っている人は少なくないのではないでし…
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【今週はこれを読め! ミステリー編】今すぐ絶対読むべき短篇集〜近藤史恵『ホテル・カイザリン』
小説が放つほのかな光が、作者の影を浮かび上がらせている。『ホテル・カイザリン』(光文社)は、近藤史恵がさまざまなアンソロジーなどに発表した…
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【今週はこれを読め! エンタメ編】幼なじみとの自然体の会話〜川上 弘美『恋ははかない、あるいは、プールの底のステーキ』
主人公と話がしたい。最近心に引っかかった出来事のことなどを、ゆるゆると話しながら日本酒を飲みたい。そして、しばらく会っていない友達とも、お…
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「高い目標」と「低い目標」、やる気が上がるのはどっち? 脳神経内科医が「やる気を科学的に上げるコツ」を伝授
私たちの長い人生の中で、「やる気が出ない」状況というのは往々にして訪れるものです。東京屈指のオフィス街・神田で心療内科のベスリクリニックを…
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日本の新聞黎明期、体を張った変装潜入取材で世間を沸かせた女性記者たちがいた――。
今も圧倒的に男性の数が多く、男性中心とも言われるマスコミ業界。明治時代の新聞黎明期ともなれば、婦人記者は各社片手で数えられるほどしかいませ…
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【今週はこれを読め! SF編】ポストヒューマンSF「タコですがなにか」〜伊野隆之『ザイオン・イン・ジ・オクトモーフ』
ロールプレイングゲーム発祥のシェアワールド〈エクリプス・フェイズ〉の世界設定に基づいて書かれた連作集。伊野隆之は2009年に『樹環惑星 --ダ…