「ズゴックとうふは通常の三倍、限定版を作った」相模屋社員の言葉と、ある家庭のジオン風食卓の光景
ここぞとばかりに相模屋社員に「こんなデザート用のとうふってこれまでもあったんですか?」と質問してみると「まったくなかったわけではありませんが、ここまで商品として力を入れて生産、PRされたものはありません」とのこと。
確かにとうふ売り場にスイーツを置くというのは販売店としてもなかなか勇気がいる。
しかし140万機(丁)をセールスした「ザクとうふ」なら、新たなチャレンジも可能というわけだ。
絶品スイーツでありながらカロリーはとうふという驚異の低カロリーを実現したザクとうふデザート仕様、こちらも創意工夫とフロンティア精神が詰まった、ジオン軍らしい一機(丁)だといえるだろう。
発表会でお土産としてズゴックとうふとザクとうふデザート仕様をいただいたので、早速家族で鍋をやってみた。
4歳の息子は「ズゴックってなに?」と興味を持ち、ゲームの動く映像を見せてやったら「これを今から食べるのか!」と喜んでいた。
妻はこれでいいの? と鍋に入れたズゴックのアーム部分に貴重なズゴッククローフォークを刺して鍋を煮込んだのであわてて回収。
「やるならカニでやれ!」「爪の本数が違うじゃん!」と料理中とは思えない会話が発生した。
そして実食すると、普段はとうふ嫌い(味がしないから)な息子が「うまい!」と言って喜んで食べていた。
おかしい、息子はどうせちょっとしか食べないだろうと思っていたのに……。
そして容赦なくお玉でズゴックの頭部をざっくり削り取る妻。
貴様連邦軍か! しかし「あ、おいしいね」と味には太鼓判。
このあと0歳の娘が妻の器をひっくり返し、ジオン魂を見せつける大惨事となったものの、実に楽しい食事となった。
食後にはザクとうふデザート仕様が出撃。
こちらも好評で息子は「これはプリンじゃない。
いいものだ」とよくわからないなりにプリンとの違いを見極める。
妻は「あ、これ好きかも。
言われないと全然とうふだって分からないね」と言いつつやはり容赦なくザクの頭部をカチ割った。
こういうものはちゃんと1話のアムロのように動力パイプを引きちぎってからだな……などとボヤきながら、筆者が数秒前までザクだったものの残骸を食べた。
「よくもジーンを!」(※デザート仕様なのでジーンのザクではありません)筆者の家族はそこそこガンダムを知っているという条件はあるものの、とうふひとつでこれだけ夕食が楽しく賑わったのは事実だ。
それは父さんが積極的に食に関わったからだともいえるし、普段とは違う食卓をとうふが彩ったからだともいえる。
とうふは料理の名脇役、というが、鍋の真ん中でズゴックとうふは見事な存在感を見せていた。
10月2日、とうふの日の出来事である。
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