失敗だ。29日にジェノヴァで行われたアメリカ代表との国際親善試合は、0−1でイタリア代表の敗北に終わった。アメリカは55分にデンプシーのゴールで先制。これが決勝点となった。イタリア代表にとっては、ローマでのウルグアイ代表戦に続く連敗だ。

イタリア代表は国際親善試合でうまく戦うのに苦労している。これは以前からの歴史的なことだ。プランデッリ監督の時代になっても変わっていない。同監督の下で喫した4敗は、すべて勝ち点3が懸かっていない試合だった。逆に大事な試合となれば、イタリアは常に存在していたのである。

イタリアは6月10日にスペイン代表とEURO12の初戦を迎える。それまで102日。突如として心配しなければいけないわけではない。だが、この日の試合はあまりに多くのことが機能しなかった。期待されていたマトリとジョヴィンコのコンビもそう、トレクアルティスタとして起用されたチアゴ・モッタもそうだ。デビュー戦となったボリーニは、右サイドでまずまずのプレーをした。

イタリアは前回、09年6月15日にコンフェデレーションズカップでアメリカと対戦し、ロッシの2得点などで3−1と勝利した。だが、翌年の南アフリカ・ワールドカップ(W杯)で惨敗し、コンフェデレーションズカップでブラジルとともにファイナルに進んだアメリカは、W杯でもグループリーグを突破した。

前半は穏やかなものとなり、クリンスマン監督は組織的な兵士たちのプレーをさせた。多くのことをやったわけではないが、集中を切らすこともなかった。21人の選手たちが短い距離の間で押しつぶされるような形となり、イタリアは苦しんだ。

アメリカの壁を崩すには、あまりにプレーがスローすぎで、ジョヴィンコとマトリは前線で意欲を見せたが、常にダブルマークにつぶされた。T・モッタは何度か危険なシュートを放ったが、トレクアルティスタとしての方向転換を持っていないことは確かだ。

後半になり、クリッシトに代わってキエッリーニが登場(ただし、左サイドバックを務めたのはオグボンナだった)。ノチェリーノとの交代でモントリーヴォも登場。イタリアはより意欲的になったが、やはり相手守備陣を突き破ることはできなかった。

すると、ゴールが生まれる。だがそれは、アメリカのゴールだった。アルティドールの落としから、デンプシーが右足でシュート。ブッフォンは届かなかった。アメリカが先制したことで、プランデッリ監督はさらに動く。観客から大きな拍手を送られたパッツィーニや、ボリーニが途中出場。左ワイドに開いたジョヴィンコと3トップを組んだ。

イタリアで最も危険な存在となったのは、この途中出場のボリーニだ。ロスタイムにはモントリーヴォに惜しい場面もあったが、アメリカGKハワードは無失点を守った。そして、12度目の対決にして、イタリアは初めてアメリカに敗れたのである。