10月7日に神戸で開催されるキリンチャレンジカップのベトナム戦と、11日に大阪で開催されるブラジルワールドカップアジア最終予選タジキスタン戦のメンバー発表会見が、9月29日に日本サッカー協会で開催された。

メンバーからは負傷の内田が外れ、FWに藤本淳吾が復帰した。韓国戦、北朝鮮戦の前に比べると会見場の雰囲気は落ち着いている。だが70席の会見場は満席で立ち見も出ていた。

北朝鮮戦の前の会見では笑顔も片言の日本語の挨拶もなかったザッケローニ監督だったが、今回はいきなり日本語の挨拶から始まった。その後はずっとマジメな表情で答弁を繰り返したが、最後も日本語で挨拶し、この日初めての笑顔を見せた。

概要は以下のとおり。

14時10分、いつものように原博実技術委員長とアルベルト・ザッケローニ監督、矢野大輔通訳が登壇。まず、原委員長がキリンチャレンジカップとタジキスタン戦について説明した。

「メンバー発表となりましたが、海外組を含めて、国内組もケガ人がいます。今日のこの23人を発表しまして、週末の状況を確認して、ケガ人が出たらそこでメンバーを入れ替えたいと思います。ベトナムは今後アジアの中で、出てくるだろうという国です。小柄ですが個人技があり、カタールとの2次予選でホームで勝っています。アウェイではセバスチャンのフィジカルにやられていましたが、内容ではベトナムが勝っていました。その試合での問題点を修正してタジキスタン戦に臨みたいと思います」

そしてザッケローニ監督がコメントした。
「コンニチハ。今、原委員長から大筋の流れを話していただきましたが、2つの異なるチームと戦うのですが、ベトナムは近年成長していますし、スピードがあるチームです。この前の2つのゲームを見ましたが、ホームとアウェイで戦い方を変えてくるチームです。(ベトナムは)チームとしてはフィジカルの面で、持久力とアジリティ、スピードを全員でカバーするチームです。なので攻撃の際にはたくさんの人数をかけて攻めてくるチームですし、守備でも持久力を生かしてたくさんの人数で守るチームです。先ほど2つの異なるゲームと言いましたが、フレンドリーマッチのベトナム戦では自分たちの内容を高めて確認に使いたいと思います。タジキスタン戦は予選なので結果が求められると思います。ですがタジキスタンで結果が求められる前のベトナム戦で自分たちのサッカーを確認することが次につながると思います。相手の特徴は把握していますが、日本にどう戦ってくるかは把握していません。タジキスタンに関しては、ウズベキスタン、北朝鮮の予選の2試合を分析しながら相手を見極めようと思います。タジキスタンは、この2試合での最大の目標を、中盤を支配することにしていたと思います。それができなくて0-1で負けていると思います」

――藤本選手はサイドでしょうかトップ下でしょうか。
「藤本選手はアジアカップにも招集していますし、決勝でもプレーしました。去年はサイドでプレーしていて今年はトップ下でプレーしているので、どちらでもプレーできると思っています」

――内田選手のケガについて、代わりはどう考えていますか?
「今回のディフェンスとして招集しているメンバーは、前回の内田選手の代わりに長友選手を招集しています」

――本田選手のケガで新しい攻撃は、人を代えるのですか、それとも戦い方を変えるのでしょうか。
「一つは形を変えて対応する、あるいは人を代えて対応すると思いますが、同じプレーをする人はいないので、チェックしながら対応することになると思います。話を総括しますと、形を変える可能性も、人を代えるやり方もあると思います」

――ベトナムという相手についてはどう思いますか?
「前回フレンドリーマッチでベトナム戦と戦うときに同じ話があったと思いますが、私は目標設定をしてそれをクリアしながら成長していくので、ベトナム戦は自分たちに目を向ける機会だと思っています。クラブチームではいつも一緒なので確認できますが、代表チームは一緒にいる時間が2カ月に1回ぐらいなので、代表チームでのフレンドリーマッチは自分たちの中でバランスを見つけるのに大切だと思います。ベトナム戦の前に選手に言おうと思っているのは、過小評価しないでしっかり戦っていこうと思います。アウェイのカタール戦は0-3でしたが、内容は五分五分でしたし、ホームでは2-1で勝っています。当然ベトナム戦に関しては自信をつけるという意味で結果も大切ですが、それと同様に内容も追求したいと思います。我々の目標としているのは(無敗)レコードを伸ばすことではなくて成長することなので、そのためにやっていきたいと思います」

――長友選手に対する期待は?
「長友選手からは他の選手と同様に最大の能力を発揮してほしい、このチームに対して全力を出してほしいと思います。でも、このチームはどの選手もみんな全力を尽くしてくれているのでそんな心配はないと思います」

――本田選手がいないことについてはどう考えていますか?
「本田選手は当然、とても重要な選手だと認識しています。ですが最近の2試合を振り返ってみると長友選手もいませんでした。その2試合は私が就任して以来一番チャンスを作っていました。ですからバランスを見ながらいろいろ試していきたいと思います。手元にいる選手たちが一番能力を出せるようにピッチに送り出すのが私の仕事なので、その仕事に徹したいと思います。この3試合は、チームの出来と結果には満足しています。このうち2試合は本田選手がいなかったですし、3試合は長友選手がいませんでした」

――清武選手はどう使うのですか? ハーフナー選手は先発で使うのですか?
原委員長「清武選手は今日も連絡を取り合っています。今日の発表に入れるのはクラブから了解を取っています。監督がどうするかというより、週末までのコンディションを見て、調整しています」

監督「まず清武選手ですが今日は木曜日で週末の試合を残しての招集です。これは他の選手もそうなのですが週末の試合を終えてのコンディションをチェックしてこのメンバーでコンファームしていくか考えていくところです。当然ハーフナー選手も、これもみんなに言えることですが、しっかりと準備していてほしいし、それは他の選手も一緒です。ベトナム戦では6人交代できるので、いつでも準備ができているという状態で代表チームに来てほしいと思います。他にも頑張っている選手もクオリティをもっている選手がいるので、この選考作業をするのは大変だと思っています。なので残念ながら今回は入れなかった選手も不合格という烙印を押されたのではなくて、4つのパラメーターを意識して日々の練習をしてほしいと思います」

――中村選手に対する認識と期待は?
「中村選手はコンディションもよくなってきたと認識していますし、試合に出ているのでよくなったと思います。代表チームに対する愛を持っていると思いますし、彼には質だったり、クオリティの高いプレーを求めていきたいと思います」