斎藤佑樹はこうでなくては!|2011年NPBペナントレース

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最初にちょっとだけ速球を投げて見て、通用しないとなるとあとは多彩な、しかしどれも半端な変化球を投げて何とか形を作る。これまでの斎藤佑樹の投球パターンだ。どんな投手なのか、何が持ち味なのかよくわからない、そんな不満があった。しかし、昨日の斎藤は違った。

1回はこれまで同様中途半端な投球に終始し、球数を増やして失点したが、2回以降スライダーを投球の軸として組み立てていた。大学時代に打者を翻弄した球である。西武打線は、斎藤佑樹の変化球をじっくりと見る作戦に出ていたようで、球数は増えた。しかしこの日のスライダーは分かっていてもなかなか捉えられなかった。3回、中島との対戦は10球に及んだが5球がスライダー。このことごとくを中島はカットした。見応えのある勝負だった。

4回からは速球を織り込んだ。動く速球が加わったことで、打者は配球が読めなくなっていく。こういう投球が出来るのだ。2死から坂田にライト前に運ばれたが、これがこの日の初安打だった。

5回は攻めあぐねて焦りが出た西武打線を翻弄。投球フォームに躍動感があった。

しかし6回、球が高めに浮きだし、西武打線につかまった。スライダーがうまく変化せず、レフト前に連打された。しかし、大崩れすることはなく何とかQS(先発投手の義務とされる6回3失点以下)を保った。

昨日の斎藤は攻めていた。そして勇気を持って速球を投げていた。これが本来の投球ではなかっただろうか。問題は追い込んでからの勝負が遅いこと。6回で112球はあまりにも多すぎる。下位打線はさっさと切って捨てるような切れ味が欲しい。

斎藤佑樹の本領発揮。次回の登板が楽しみになった。