アーセナルの主将セスク・ファブレガスが、20日のトッテナムとの決戦を前に、現在の心情を吐露したと英ガーディアン紙が報じた。

ファブレガスはトロフィにすっかり縁のなくなったクラブに危機感を募らせており、スペインだったら3年も優勝しなかったら監督は続けていられないと話した。アーセナルが最後に優勝したのは2005年のFAカップだ。

「スペインへ行って、グアルディオラ、モウリーニョ、あるいはウナイ・エメリ(バレンシア監督)に優勝せずに3年間持つか訊いてみたらいい。彼らは続けられないと言うだろう」

「ここでは事情が違う。監督は知的だし、クラブの価値観も違う。チームは常にチャンピオンズリーグに出場しているし、最後まで優勝争いをしている。若い選手もいるし、経営的にも安定している。理事会にとって、これは重要なことだ。だけど、決断しなければいけない時がある。優勝したいのか、しなくてもいいのか」

「僕がここで始めたばかりの頃、カップ戦に勝ったし(2005年)、チャンピオンズリーグ決勝にも進んだ(2006年)。だけど、2007年以降は、『僕らは優勝しないけど、とてもいいプレーをしている』と言い続けてきた。しばらくして、それじゃうまくないことに気づく。シーズンの一部、たとえば今季のように4つの異なる大会で戦っているときなど、『これで全部獲れる』と思ってすごく楽しい。だけど、最後のステップまで到達できない。その時だよ、決断すべきなのは。優勝を目指すのか、選手を育てるのか」

「僕は常勝チームにいて、それはすごいものだった。いいプレーができなくても、チームメートが助けてくれたから問題はなかった。でも、それからずいぶん事情は変わって、今は僕がみんなから頼られる立場になっている。言うのもなんだけど、本当なんだ。僕が悪いプレーをすれば、僕が責任を取るし、サポーターからのプレッシャーも僕が受ける。僕とファン・ペルシーだけが、あの世代からの生き残りで、僕らは多くの責任を背負っている。僕とファン・ペルシーは最高の選手たちから学んだ。だけど、今は違う。だって僕らはみんな若くて、『スゲー』って思える選手がいないんだから」

「若い選手は、年上の選手から学ぶものだ。だけど、今は複雑だね。もし、ウィルシャーを以前のようなチームに加えたとする……そうすれば事情が違うよ。それがいいとか悪いとか言ってるわけじゃない。以前は、手本にする選手がいたってことなんだ。強い選手たちと一緒にやっていれば、学ぶのも早い」

「(バルセロナの主将)プジョルと話をしたことがある。彼は26歳になるまでトロフィを取ったことがなかったって。忍耐と勤勉が人生ではいちばん大切なんだ。そしてもし、僕がアーセナルを出るとしたら、イングランドのクラブには絶対行かない。それは確かだよ」