東日本大震災の影響のひとつ首都圏の計画停電で、私たちは自分の生活がいかに電気に支配されたものかを実感させられた。ライフラインすべてがストップしてしまう被災地とは比べものにはならないものの、とくに家庭内の機能をすべて電気でまかなう「オール電化住宅」への影響は大きなものだったようだ。

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・家はオール電化で全てストップ、真っ暗でテレビが見れず火も使えない。寝るしかなかった
・オール電化のうちはまさに機能停止で断水も。電気がつく間に家事をしなければ…
・マンション16階まで階段で登り、暗い廊下を携帯の画面の灯りを頼りに壁伝いで歩いた
など、ブログ上でも生々しい報告が相次いだ。計画停電で連日「電気が使えない生活」を余儀なくさせられた人々は、電気のありがたさを痛感しながら「オール電化」が持つ脆弱性に気づいた模様。オール電化住宅に住んでいない人たちも
・原発依存のオール電化社会は砂上の楼閣にすぎなかった
・オール電化は、原発をさらに建設させるためのキャンペーンだったのか…
・「オール電化でエコロジー」なんて電力会社の宣伝をうのみにしちゃダメだったのね
と語り、原発のイメージと共にオール電化の印象も地に落ちた感がある。原発事故で電気供給能力がさがり、綱渡りのような計画停電や「節電のお願い」をするばかりの東京電力。当然ながら、この状況ではオール電化商品の新規販売を休止するしかなく、中部や関西などでもキャンペーン自粛など、「オール電化」の立たされている状況は厳しい。

ただ、ガスの復旧だけが遅れている被災地では
・オール電化マンションの友達のうちで、1週間ぶりのお風呂にいれてもらった〜
・あと1週間はお風呂も料理も無理みたい…お風呂はオール電化の姉の家まで通ってます
などオール電化住宅のメリットが生かされている状況もある模様。

私たちの生活を支えているエネルギーの仕組みと災害時のリスクを理解したうえで考えるべきなのが、私たちが生きていくうえで本当に必要な電力はどれくらいで、そのエネルギーをどこから調達すればいいのか。
・日本の豊かさは沢山の電気を消費して成り立っていたんだなとわかった
・今までのように贅沢に電力を使う生活を改めねばならないことは、確か
・あまりにも無神経に浪費していた電気の大切さを、もっと考え直さないといけない
電気料金の値上がりも確実視されるなか、電気との付き合い方を改めて考えるときなのだろう。

(夏目昌)

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