13日にプレミアリーグ第17節のマンチェスター・ユナイテッド戦を控えるアーセナル。前半戦首位攻防のヤマ場で、マンUのエヴラがアーセナルを「育成センター」と見下した発言をするなど、試合前から火花の散る一戦だ。

 アーセナルはこのところMFサミル・ナスリが絶好調。ゲームメーカーとしての役割だけでなく、ゴールも積極的に狙って結果を出している。前節のフラム戦で見せた華麗な個人技からの2発につづき、チャンピオンズリーグのFKパルチザン戦でもゴール。ここ5試合で5得点とゴールを量産している。

 昨季までは自ら得点するタイプでなかったナスリが、今季はカップ戦を含めて12ゴールと新境地を見せる。セスク・ファブレガスをケガで欠き、サイドから中央寄りにシフトしているのが功を奏し、その不在を見事に埋めている。

 しかしナスリ本人の見方では、好調の直接の要因はべつのところにある。今季から加入したFWマルアン・シャマクだ。レキップ紙が報じている。「シャマクはチームのためにプレーする。彼がいると連係がスムーズになる。アーセナルのようなチームにとっては完璧なプレーヤーだね」とナスリ。

 ともにフランスの移民家庭出身(ナスリはアルジェリア系、シャマクはモロッコ系)で、リーグ・アン時代からお互いをよく知る2人。シャマクのほうも「アーセナルに溶け込めたのはナスリのおかげ」と感謝する。「W杯開催中は、よく彼の家でいっしょに試合を観たんだ」と明かした。シャマクにとっては、ナスリが代表に選ばれなかったのは結果的に幸いだったとも言える。

 シャマクのプレーが司令塔の力を最大限に引き出すことは、ボルドー時代のグルキュフとのコンビネーションを思い出してもわかる。グルキュフが現在苦しんでいるのは、最高のパートナーを失ったからかもしれないとすら思わせる。

 ナスリとシャマクのコンビが打倒マンUのカギを握るのは間違いなさそうだ。