9日にスペイン『スポルト』が報じていたことが、10日に正式発表された。バルセロナが112年の伝統に終止符を打ち、ユニフォームにスポンサー名を入れることを受け入れたのだ。

バルセロナによれば、商業ブランドではなく、ある財団のロゴが入るという。確かにそうかもしれないが、本質は変わらないだろう。バルサは多額の負債を抱えており、今年6月には給料遅配もあった。財政的な理由に応じた形だ。バルサのハビエル・ファウル副会長は9日、「この財政状況じゃなかったら、やらなかっただろう」と話している。

2011年7月1日から5年間、バルセロナのユニフォームにその名が記されるのは、カタール財団。サンドロ・ロセル会長率いるバルセロナは、その対価として1億5000万ユーロ(約166億5000万円)と、タイトルに応じてボーナスを受け取ることになる。さらに11年1月から6月までも、ユニフォームにスポンサー名を入れないにもかかわらず、1500万ユーロ(約16億6000万円)をバルサは手にする。

年間3000万ユーロ(約33億3000万円)という金額は、サッカークラブのユニフォームに対する金額としては最も高額だ。断ることのできないオファーだろう。バルサは3年前、ユニセフとの合意で、サッカークラブとしては初めてスポンサーから多額の資金を得るのではなく、スポンサーに支払う側となっていた(年間150万ユーロ=約1億7000万円)。

ユニセフとの合意は続いているが、ユニフォームに記されるのは一つだけではなくなる。新たなスポンサーと分かち合うことになるのだ。ファウス副会長は「2つのブランドで一つのロゴをつくるアイディアも検討中」だとしている。

バルサによれば、カタール財団はNGOとのことだが、NGOの団体が世界に名を知らしめるために多額のお金を費やす必要があるだろうか? 記者会見の最中、うれしくない質問も多くなされ、ファウス副会長はカタールが「柔軟かつ寛大な絶対君主制」で、「こういった状況下で我々はくつろげている」と“特殊”な回答をしている。