LAギャラクシーからのレンタルでミランにやってきたイングランド代表MFデイヴィッド・ベッカムが30日、ミラノで復帰記者会見を行った。多くの報道陣が詰め掛けた会場で、ベッカムが意欲的なコメントを残している。

「ミランのチームメートやファン、スタッフなど、すべてが恋しかった。ここでは1年前に特別な経験をさせてもらったね。それを繰り返せると思っているよ。ここは去年とほとんど同じだ。偉大なクラブというのは、変わらないものだよ。もちろん、(昨季までキャプテンだった)偉大な人物であるパオロ・マルディーニがいないことや、世界最高の選手であるカカー(夏にレアル・マドリーへ移籍)がいないという違いはある。それにカルロ・アンチェロッティ(現チェルシー監督)もいなくなった。でも、ミランはミランなんだよ」

ベッカムがミランにレンタルされることが決まった後、チャンピオンズリーグ(CL)決勝トーナメント1回戦の組み合わせ抽選会が行われ、マンチェスター・ユナイテッドと対戦することが決まっている。ベッカムにとっては自身が育ったクラブとの初対決になるが、今からそのときが待ち遠しいようだ。

「マンチェスター・ユナイテッドとの対戦が決まったとき、僕はほとんど泣いていたよ。試合の日は本当に特別な夜になるはずだからね。ユナイテッドが僕にとって大事なクラブであることは変わりない。街も僕にとっては特別だ。まだ多くの友達がいるし、ファンもいっぱいいる。7年も戻っていなかったけど、ミランの一員として帰ることになるなんて…素晴らしいよ。もちろん、ユナイテッド相手に勝つのは簡単なことじゃないけどね」

また、サイドバックでの起用も噂されるポジションの問題についても語った。

「ミランの試合をたくさん見たよ。去年と比べて、システムは変わったね。でも、そのシステムを機能させる選手がしっかりといる。自分のポジションについては考えていないよ。ここにいられるだけで幸せなんだ。プレーすることが絶対ではないし、ベンチスタートだって構わない。どこであっても、プレーできれば本当にうれしいんだ。DF、MF、FW…GKだっていいよ。僕はいろいろなポジションでプレーできる。まぁ、レギュラーでスタートできるなんて期待していないよ。それが叶うときは、レオナルドが僕を理解したときだね。1月6日のジェノア戦に先発できたら? もしレオナルドがそう決めてくれるなら、僕は準備を整えているよ」

そして、今回のミラン加入がワールドカップ(W杯)出場のためだけの手段でないことを説明している。

「ミランがスクデット(セリエA優勝)できるかって? もちろんだよ。ミランは常に勝つことができる。簡単なことではないとしてもね。僕の2010年の目標は、ミランでスクデットを手にすることさ」

「もちろん、W杯出場は大きな目標だけど、そのためだけにミランへ来たわけじゃない。もっと多くの理由があるよ。世界で最も大きなクラブの一つに加わったんだ。(イングランド代表監督ファビオ・)カペッロが僕を呼ぶと話したからといって、それが約束されているわけじゃない。必要なことは、とにかくハードワークだね」。