若者は夜走り、歩く お金をかけない「夜スポ」が人気
ウォーキングやジョギング、ランニングなど、手軽にスポーツを楽しむ人が増えている。しかも、平日のアフター5に運動する「夜スポ」が人気。「走る」ことは、お金がかからず、時間や場所を問わない、一人でもできる気軽さがあるが、最近は会社の仲間と飲みに行くよりも、仕事を早く切り上げてスポーツを優先する傾向にあるようだ。
日本コカ・コーラ社が、2009年9月に20〜30歳代の働く男女400人を対象に実施した「第1回アクエリアス・スポーツ実態調査」によると、この1、2年間に始めたスポーツの第1位が「ウォーキング」で約3人に1人が答えた。次いで「ジムでのトレーニング」が21.5%、「ジョギング・ランニング」が21.0%と続き、多くの人がウォーキングやジョギングなど、お金のかからない「0円スポーツ」を楽しんでいることがわかった。
仕事のできる人は「夜スポ」にも熱心
そうした中で、最近は「夜スポ」といって、アフター5にウォーキングやジョギング、スポーツジムやプールなどに通う人が増えている。平日にスポーツをする人は全体の63.5%で、その人に「平日に仕事が終わってからスポーツをする頻度」を聞いたところ、約6割(59.0%)の人が週に半分以上「夜スポ」すると答えた。
「仕事のできる人は、夜スポにも熱心で健康管理もしっかりできている」――。医学博士で、多摩大学・統合リスクマネジメント研究所の真野俊樹教授は、そう話す。
調査結果によると、ウォーキングやジョギングを継続することで「体が引き締まった・筋肉がついた」(65.5%)、「生活にメリハリができた」(64.5%)、「よく眠れるようになった」(62.5%)、「明るくなった」(55.5%)といった声が少なくなく、肉体的にも精神的にメリットが見込める。
スポーツをはじめた人ほど水分とミネラルの補給が欠かせない
また、これから寒くなってくると新型インフルエンザが心配されるが、約半数にあたる人がスポーツをすることで「風邪を引きにくくなった」(42.5%)、「インフルエンザ対策に有効だと思う」(46.0%)と答えている。
さらには「異性との出会いの機会を広げる」というメリットも、52.5%が「有効だと思う」とみていて、実際に「恋人ができた」という人も2.5%と少数ながらいる。
いまどきの若いビジネスパーソンは、仕事や付き合いで忙しい中にあっても、時間の遣り繰りをしながらスポーツを楽しみ、しっかりと健康管理を行っているようだ。
ただ、真野教授は「ふだんスポーツをしていない人ほど汗をかきやすいので、水分補給、できればミネラル分を含んだスポーツドリンクを、運動の最中や事後だけでなく事前から、適宜摂るように心がけてほしい」と、スポーツ時の健康にも気をつけるよう注意する。
スポーツでかいた汗には体内でつくることができないナトリウムなどのミネラルが含まれているため、スポーツドリンクなどで補わないと体液量が元の状態に回復しない。奈良女子大学生活環境学部の鷹股亮教授は、「水だけを大量に飲みすぎると低ナトリウム血症を起こし、痙攣やひどい場合には脳浮腫の危険性もあります」と指摘する。
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