ブラジル代表FWアレシャンドレ・パトの2ゴールで、今季のセリエAを白星発進したミラン。その時は誰もがMFカカーのレアル・マドリー移籍を忘れられると信じていた。しかし、それは現実になっていない。いまは非常に難しい時期を過ごしている。

パトは突如として精彩を欠いた。これに続く形でチームの調子が上がらないのは、偶然ではないだろう。パトはいまのミランで違いをつくれる選手であり、チームを牽引するべき存在だからだ。

パトに何が起きたのか、それを知る者はいない。おそらくは彼ですら分からないことだろう。それこそが大きな問題だ。今年1月、オリンピコでのローマ戦で爆発的な瞬発力でDFフィリップ・メクセスをぶっちぎり、ゴールを決めた時の彼はいない。

この夏には、メガオファーを断ってミランに残留したパト。いまさら、彼のテクニックについて議論する必要はないだろう。欠けているのは、ほかの要素だ。ただし、いまのパトは、ようやく成熟を見せ始めるときだ。もう男の子ではない。彼はブラジルからやって来たとき、周囲のみんなが支えになっていた。今度は彼の番だ。彼がみんなを助けるときだろう。偉大な選手であることを証明し、ミランを牽引するタイミングだ。