イ・ビョンホン(撮影:野原誠治)
 この戦い、かなり刺激的――。「トランスフォーマー」の制作陣が集結し「ハムナプトラ」シリーズのスティーブン・ソマーズ監督がメガホンを取った、この夏の話題作「G.I.ジョー」がついに本日8月7日公開となった。加速装置付きの特殊スーツを身につけ、数々のガジェットを駆使する極秘のチーム、G.I.ジョーと悪の組織コブラのアクション・シーンはかつて無い衝撃映像の連続だ。今回、ハリウッド映画初進出で初の悪役に挑戦したイ・ビョンホンに苦労したシーン、先日行われたジャパン・プレミアの感想などを聞いた。また、画期的な映像を生み出したスティーブン・ソマーズ監督、劇中でのロマンスシーンが見所のレイチェル・ニコルズ、マーロン・ウェイアンズの楽しいやりとりも会話に華を添えた。

――まず、ハリウッド映画初進出のイ・ビョンホンさんにお伺いします。とても激しいアクションに挑戦した感想、ハリウッドの現場で感じたことなどを教えてください。

イ・ビョンホン:アクションについては監督から、型破りな物を作りたいとお話がありました。僕は忍者役で刀や手裏剣を使うのですが、それだけに留まらずテコンドーや空手の要素を入れたりして。そこは皆さんに観て欲しいですね。アメリカ式の現場は経験したことの無いタイトなスケジュールで、最初は困惑しました。私は俳優業が長いほうですがこういった経験は初めてで、多くの刺激を得ました。色々なことを学んだ作品ですね。

――では監督にお聞きします。この映画のハイライトはなんと言ってもエッフェル塔がなぎ倒されるシーンだと思います。あの場面にエッフェル塔を選んだのはなぜですか?

スティーブン・ソマーズ監督:悪の組織コブラによって破壊される物は、みんなに愛されている物じゃないと衝撃が伝わらないと思ったんだ。そして、ニューヨークはその他の映画で破壊され尽くしていますから(笑)。でも、本当は日本を破壊したかったな。日本は大好きな国なので、今回の映画にも日本のシーンがありますが、次回作ではもっと大きく取り上げたいと思っているんです。

――金属を食べてしまう“ナノマイト”というウィルス兵器の登場は画期的だと思います。何からアイデアを得たのですか?

マーロン・ウェイアンズ:自宅のゴキブリからヒントを得たらしいよ(笑)。

スティーブン・ソマーズ監督:確かにそれもあるね(笑)。今までの映画では人間にとって一番の脅威は“核”でした。でも、ここまで研究が発達したナノの存在を絶対無視出来ないと思ったんだよ。日本は間違い無く、ナノの研究の最先端。いずれ、ゴジラもナノの力を利用するんじゃないのかな?

――映画を拝見して、ガン・アクション、カー・アクションなどかつて見たことの無いような映像が満載でした。監督から無茶な注文を受けたのでは?

マーロン・ウェイアンズ:脚本を読んでアクションシーンの説明を受けた時は「これ全部は無理だろう」って思ったね。特にレイチェルは激しいアクションシーンで髪の毛やまつ毛が抜けてしまって可哀想だったよ。

スティーブン・ソマーズ監督:キャストの皆には高い保険をしっかりかけてるから大丈夫なのさ(笑)。

レイチェル・ニコルズ:確かに、色々な苦労はしたわ(笑)。でも、監督は本当にHAPPYな人! 作品作りを心から楽しんでいるから、興奮が私達にも伝染するの。

イ・ビョンホン:僕は、ハリウッドの現場が初めてだったこともあって監督にはとても優しくしてもらいました。一番苦労したのはマーロンとの会話。早口で、スラングばかりだから全然理解できなくて(笑)。